12月21日 日曜日
日曜日の午後、学校での授業が終わると、クラスメイトたちが声をかけてきた。
「純、今日エミリーも一緒にカラオケ行こうぜ!」
「自由が丘の駅前に新しいカラオケボックスできたんだって」
僕は一瞬ためらったけれど、エミリーが目を輝かせて言った。
「Karaoke? I want to try!」
その勢いに押されて、僕も頷いた。
自由が丘駅に着くと、賑やかな街の雰囲気にエミリーは「So stylish」と感嘆の声を上げた。駅前のカラオケボックスに入ると、クラスメイトたちがわいわいと部屋を選び、マイクを握って盛り上がり始めた。
「純、歌えよ!」
「エミリーも歌ってみなよ!」
最初にマイクを取ったのはエミリーだった。洋楽のヒット曲を選び、堂々と歌い始める。伸びやかな声が部屋いっぱいに響き渡り、みんなが「すげー!」と歓声を上げた。僕はその姿に圧倒され、ただ見つめるしかなかった。
「Jun, your turn!」
マイクを渡され、僕は慌てて日本の定番曲を選んだ。声が震えて、途中で音程を外してしまう。クラスメイトが笑いながらも拍手してくれて、エミリーは隣でにっこり笑った。
「Good voice, Jun. Cute」
その一言に、顔が真っ赤になる。
次々と曲が流れ、クラスメイトたちが盛り上がる中、僕はふと気づいた。エミリーが輪の中心にいて、みんなと楽しそうに笑っている。その姿を見て、誇らしいような、少し寂しいような気持ちが胸に広がった。
帰り道、自由が丘の街を歩きながら、彼女がふいに言った。
「Today… very fun. I like your friends」
「そうだね。みんな楽しそうだった」
「And… I like singing with you」
僕は言葉を失い、ただ「うん」と頷いた。
――彼女と歌うだけで、僕の声も少し強くなれる気がした。




