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14Days  作者: 双鶴


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12月17日 水曜日

 放課後、僕たちは深沢神社へ向かった。商店街から少し歩いた先にある小さな神社で、地元の人にとっては馴染みの場所だ。冬の夕方、境内は静かで、冷たい空気が張り詰めていた。


「Wow… so quiet. Beautiful」


 鳥居を見上げるエミリーの横顔は真剣で、僕は少し誇らしい気持ちになった。


「まず、鳥居をくぐる前に一礼するんだ」

「Bow… like this?」


 彼女がぎこちなく頭を下げる。僕も慌てて同じように礼をした。


 手水舎に向かうと、彼女が首をかしげる。


「What’s this?」

「ここで手を清めるんだ。右手で柄杓を持って…こうやって」


 僕は見本を見せる。エミリーは真剣に見つめ、同じように水をすくった。冷たい水が手に伝わると、彼女は小さく声を上げた。


「Cold! But… feels nice」


 拝殿の前に立ち、僕は説明した。


「二礼二拍手一礼っていうんだ。まず二回お辞儀して、二回手を叩いて、最後にもう一回お辞儀」

「Okay… I’ll try」


 彼女は少し緊張した面持ちで、僕の真似をした。手を合わせる姿が真剣で、僕は思わず見入ってしまった。


「Jun… did I do it right?」

「うん、完璧だよ」


 そう答えると、彼女は安心したように笑った。


 境内を歩きながら、エミリーは絵馬を見つけた。


「What’s this?」

「願い事を書くんだ。みんなここに夢や希望を書いて吊るすんだよ」

「So many wishes… beautiful」


 彼女は一枚の絵馬をじっと見つめていた。僕はふと、彼女が何を願うのか気になったけれど、聞く勇気はなかった。


 帰り道、夕暮れの空を見上げながら、彼女が言った。


「Jun, thank you. This place… very special. I feel calm」

「そうだね。僕も、なんだか落ち着く」


 彼女が微笑むと、胸の奥が温かくなった。


――彼女に作法を教えるだけで、僕まで少し大人になった気がした。


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