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14Days  作者: 双鶴


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3/17

12月15日 月曜日

 翌朝、制服に着替えたエミリーがリビングに現れた瞬間、僕は思わず固まった。ブレザーに身を包んだ彼女は、昨日のコート姿よりもずっと「同じ高校生」らしく見えるのに、やっぱり大人びていて、目を合わせるだけで胸がざわついた。


「Jun, how do I look?」


 軽くポーズを取る彼女に、僕は慌てて答える。


「に、似合ってるよ…」


 エミリーは満足そうに笑い、母に「かわいい!」と褒められてさらに嬉しそうだった。


 学校までの道を二人で歩く。制服姿の外国人女子と並んで歩くなんて、人生で初めてだ。すれ違う人たちがちらちらとこちらを見ている気がして、僕はうつむいたまま歩いた。


「So many bicycles!」

「Yeah…みんな通学で使うんだ」


 ぎこちない返事をすると、彼女は「Cool」と笑った。


 校門をくぐると、友人たちがすぐに気づいて駆け寄ってきた。


「純、お前の家に泊まってるって、この子?」

「すげー! 外国人だ!」


 僕は赤面しながら頷く。エミリーは堂々と笑顔を見せた。


「Hi, I’m Emily. Nice to meet you!」


 その明るさに、みんなが一瞬で打ち解けていくのがわかった。僕はただ横で立っているだけで、誇らしいような、少し取り残されたような気持ちになった。


 教室に入ると、担任が前に立って紹介した。


「今日から二週間、アメリカからの交換留学生、エミリーさんがこのクラスに加わります」


 拍手が起こる中、エミリーは前に立ち、流暢な英語で自己紹介を始めた。


「My name is Emily. I’m seventeen. I love music and sports. I’m happy to be here」


 クラスメイトたちが「おー!」と声を上げる。僕はその姿を見ながら、胸の奥が熱くなるのを感じた。


 昼休み、友人たちが彼女を囲んで質問攻めにしていた。僕は少し離れた席で弁当を食べていたが、ふと視線が合うと、エミリーが笑顔で手を振ってきた。


「Jun, come here!」


 呼ばれて近づくと、彼女が小声で言った。


「Thank you… for walking with me」


 その一言に、僕は言葉を失った。頬が熱くなり、ただ「うん」と頷くしかなかった。


 放課後、並んで帰る道すがら、彼女がふいに言った。


「Your school is very friendly. I like it」

「そ、そうかな…」

「Yes. And… I like walking with you」


 僕は思わず足を止めた。彼女は何でもないように笑っている。僕は心臓が跳ねる音を聞きながら、ただ前を向いて歩き続けた。


――初めての登校。彼女と並んで歩くだけで、世界が少し広がった気がした。


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