12月23日 火曜日
冬休み前の放課後、僕たちは家に集まってクリスマスの準備を始めた。母が大きな箱を取り出すと、中にはツリーの飾りや電飾がぎっしり詰まっていた。
「Wow… so many ornaments!」
「うん、毎年使ってるんだ」
エミリーは嬉しそうに一つひとつ手に取って眺めていた。赤いボールを光にかざし、金色のリボンを髪に当てて「似合う?」と笑う。その姿に、僕は思わず目を逸らした。
「純、ライト持ってきて」母に呼ばれ、僕は慌てて箱を探した。エミリーが横から覗き込んで手伝ってくれる。
「This one?」
「そう、それ」
ツリーにライトを巻きつけると、部屋が一気に華やかになった。エミリーは拍手して「Beautiful!」と声を上げた。
父がケーキを買って帰ってきた。苺のショートケーキを見て、エミリーは目を輝かせる。
「Japanese Christmas cake? Cute!」
みんなで少し味見をすると、彼女は「So sweet, I love it」と笑った。
夜、窓辺に小さなサンタの人形を飾ると、エミリーがふいに言った。
「In America, we hang stockings. Gifts inside」
「へえ、そうなんだ」
「But… this is nice too. Different, but warm」
その言葉に、僕は胸が温かくなった。文化の違いを楽しそうに受け止めてくれる彼女を見て、この時間が特別に思えた。
「Jun, tomorrow… Christmas Eve. Exciting, right?」
「うん、楽しみだね」
彼女の笑顔を見ながら、僕は心の奥で思った。
――彼女と過ごすクリスマスは、きっと忘れられないものになる。




