〜AIと最高の旗を浮かべる令嬢〜
AIとの共同作成作品です。少しでもクスッと笑っていただければ本望です。
高性能AIホログラムと女子大生のお話5
かなみとの約束の日、カレンは着て行く服に迷っていた。
カレン:「今日は久しぶりに、マイスィートハニーとのデートですのよ!こんな地味な格好は出来ませんわ!」
メイド:「お嬢様、全身ネオンイエローのイブニングドレスは十二分に派手です。目がチカチカして痛いです。どうかこちらのオフホワイトの、ミディ丈ワンピースにしてあげて下さい。」
カレン:「相手はあの、絶えず眩しく光り輝く、後光が差している神々しい女神なのよ!?だったらせめて、こっちじゃないと釣り合いませんわ!」
メイド:「お嬢様、オレンジと蛍光白のストライプボールガウンなどもってのほかです。工事現場のカラーコーンにでもなるおつもりですか?どこで買ったんですかこんなもの…かなみ様はきっとブラウスにキュロット姿でお越しになると思いますので、合わせてあげて下さい。」
カレン:「ブラウスにキュロット…なんて愛くるしい姿なのかしら…!!そんな可憐なかなみが、あんなレストランに居るだけで変な虫が寄ってくるじゃない!今すぐあの店を買い取ってらっしゃい!」
メイド:「お嬢様、待ち合わせまであと15分ですよ?いいからさっさとこのワンピース着て、とっとと出掛けやがれ、でございます。」
一方、思ってた以上に格式の高い店構えのレストランの前で、かなみはオドオドしながら、遥花へ話しかける。
かなみ:「は…遥花ちゃん……ここってこんなすごい高級なレストランだったの…?私こんな格好で来ちゃったよ…どうしよう…」
AI遥花:「あら、かなみ。そのカメムシを寄せ集めたような澄んだミントグリーンのブラウスに、シオカラトンボに似たライトブルーのデニムキュロット姿はまるで、爽やかな香りがする公衆トイレに舞い降りた、蛾になる前のサナギのようですごく素敵よ?」
かなみ:「私、将来的に蛾になる予定!?舞い降りたんじゃなくて木から振り落とされてるよね!?カメムシとトンボ…こんなレストランだと浮いちゃうんじゃないかな…」
AI遥花:「そんな事ないわよ、かなみが浮くのはかなみの美しさを理解出来ない凡人どもが悪いのよ。」
かなみ:「浮くことを否定されないのは流石に心がギュッとするね!でも遥花ちゃんがそう言ってくれるなら自信が湧いてきた!ありがとう♡」
AI遥花:「この場にそぐわない格好をしたかなみは、かなみが一番輝いている事に他ならないわよ。心配しないで♪」
カレン:「…確か、遥花さんと仰ったかしら?あなた、なかなか見る目があるわね。お待たせ、マイスィー…かなみさん。すごく可愛らしいお召し物よ。」
かなみ:「わわっ!カレンちゃん!その服、すっごく素敵だね!かわいい!」
AI遥花:「……カレンさん、あなたの格好、まるでひな鳥が巣立ちの瞬間に羽ばたく場面を切り取った様な優雅さで、透き通った光が差し込む水面に静かに広がる波紋を連想させる様相ね。」
かなみ:「!?遥花ちゃん!カレンちゃんになんて事を…」
カレン:「あら、あなたも、淡いターコイズブルーの気品のあるAラインワンピース。すごく似合っているわ。かなみさんをこの場に浮かせるために最大限に洗練された緻密なコーディネート、最高ですわね。」
AI遥花:「ここでの立ち話もなんですから、この隠しきれていないエレガントさを発揮しているその所作で、この場に浮ききったかなみをエスコートして下さらないかしら?」
かなみ:「うん、揃って私が浮いている事を突きつけられて、膝がガクガクしてるけど、カレンちゃん!遥花ちゃんに悪気は無いからね!?許してあげてね…」
カレン:「…悪気?…確かに言葉遣いは独特だけど、そう言った表現は普通ではなかなか出来ない、あらゆる方面への知性を感じさせますわね。さすがAIと言ったところかしら?」
AI遥花:「カレンさん、あなたは冬の明け方の肌を刺すような、冷たい空気の中にたたずむ樹氷が、朝日を浴びて徐々に輝きを増していく様子を浮かび上がらせる、かなみには一切真似できない表現を発してしまうのね。」
かなみ:「えへへ〜確かに2人が日本語喋ってるのかがギリわかんないくらいなんだけど…遥花ちゃん、もうそれくらいにして、仲良くしよう?」
AI遥花:「ふふっ♪かなみったら、相変わらず私の脳内を煩悩で埋め尽くす可愛さなんだから♡」
カレン:「まぁ!かなみさんが普段から自慢するだけはあるAIね、流石にそこまで言われたら…」
かなみ:「あわわっ!カレンちゃん!ほら!ご飯注文しよう!?私このメニューに何が書いてあるか、ほとんど読めないんだけどおすすめ教えてくれないかな!?」
カレン:「照れてしま…あら、かなみさん、あなたへのおすすめは…そうね、遥花さんはどう思うかしら?」
AI遥花:「かなみには、一つのお皿に多岐にわたる料理が乗せられて、それでいて、かなみのような可愛らしさを全面に押し出した、打ち捨てられた雑巾のかたまりにも似た盛り付けのライスに刺さった旗。なんかがいいんじゃないかな。」
かなみ:「それっていわゆる『お子様ランチ』だよね!?私こう見えて成人してるからね!?って思ったけどよくよく聞いたら旗だけなんだね!?」
カレン:「遥花さん、かなみさんの素晴らしさを、そこまで理解している方は珍しいですわ。改めてあなたの事、気に入ったわ。係の方、少々よろしいかしら?この方にこの店で最高の旗を用意してちょうだい。」
ウェイター:「かしこまりました。当店の総力を挙げて最高の物をご用意いたします」
かなみ:「待って!?せめて食べられる物にしてくれた方が、かなみ喜んじゃうかな!?」
AI遥花:「かなみの、その浮いた姿を、さらに上乗せする旗が追加される様が見られるなんて、天使の降臨を目の当たりにするようなものよね…素敵…」
カレン:「…最高ですわね…うっとり」
かなみ:「てててっ、天使って…でへっ、そんなぁ♡」
完
天使の降臨
最後まで読んで頂きありがとうございました♪
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次回は高性能AI搭載完全自動運転車とオーナーのお話を更新予定です。
リアルの事情により少し更新が遅れます。ごめんなさい。




