【言霊の詩 千夜一夜】/『第五夜 優しい雨』
雨が降る時、それはいつもと少し違う時。ほんの少しの非日常。
その水との親和性は、濡れる人の心を掻き乱す。
「あなたが自分自身と繋がる奇跡」
七五調のリズムと韻が、優しく染み込む夜に
今宵もこの詩に込められた悲しみの雨に、濡れてみてください。。。
【 第五夜 優しい雨 】
優しい雨が 降る時に
人は憂いを 拭い去る
その穏やかさに 洗われて
心のあらを 置いていく
人は知らずに 重ねつつ
重い荷物の 苦しさを
足が動かぬ 重圧に
心が折れて 気づくとき
激しい雨が 降り注ぐ
心を激しく 打ち付ける
不安が渦巻く 騒音は
乱れた心を 掻き乱す
心がざわめく 乱気流
不安が恐怖に 変わるとき
どちらにつかず 魂は
支えが見えない 笹小舟
優しい雨が 降るときに
ようやく気づく その違い
同じ雨でも 違うもの
癒しの音が 染み渡る
優しい雨は 穏やかさ
朝の霞も 軽くなり
夜の静寂も しんとする
心に直に 染み渡る
優しい雨に 祈る時
心の重荷は 下ろされて
新たな旅を 見つけ出す
頬を撫でる 水の玉
優しい雨は いつも降る
天の恵みに 似た癒し
肌を撫でる 水滴は
小さな愛を 携えて
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー