F5.ギュリクイン決定戦
「炎着‼」
「雷着‼」
信良が炎を着て、スベリが雷を着る。
「二人共大分フィギュアーツに慣れてきたな。合格だ。フィギュリッパー試験を受けてこい‼」
悟に言われるがまま、二人は試験会場へ向かう。
試験は一次でフィギュリズム、二次でフィギュアーツを各一分でどこまで修練しているかを示すもの。二分で終わるスピード審査‼
織田信良合格‼
織田統理合格‼
二人はプロのフィギュリッパーとして、ギュリクイン決定戦に向け腕を磨いていく。
「ギュリクイン決定戦? ギュリクインって何ですか?」
「フィギュリップクイーンだよ。お前もフィギュア女王だったろ? あんな感じだ」
「へえ……」
「ギュリクインになれば金も名声も手に入るぞ。燃えるだろ?」
「まあ……」
焚きつける悟だが、信良には今一つ実感がない。少し前までフィギュアスケートに熱を上げていたのに、フィギュリップを始め、フィギュリズムやフィギュアーツを覚えた。目まぐるしく状況が変わりすぎて、信良の小さい脳では一個一個の処理が遅れる。
「ギュリクインかあ……よし!」
次の目標へ向け、信良は発進する。
「アクセル・ワールド×閃熱大炎……アクセル・ワールド インフィニット・バースト‼」
50人いた参加者の内、40人以上演技不能‼
「織田信良‼ FP10000到達‼ ギュリクイン確定‼」
ギュリクインとなった織田信良は……
金と名声と権力を得て……
フィギュリップを……辞めた‼
これにて彼女の物語は終わる。