第2話 宝石少女と少年
宝峰ヶ丘高校。
そこは宝石少女が通う学校。
小高い丘の上に校舎が立っているため、見晴らしがいい。
そんな学校に登校した宝石少女は、特に浮いているわけでも、人気ものであるわけでもない。
たまに話すクラスメイトがいて、たまに人の輪にまざる事があるくらい。
平凡な少女だった。
変わったところは、宝石を出して人の願いを叶える所だけ。
そんな宝石少女に、話しかける人物がいた。
それはクラスメイトの少年。
髪を金に染めた、不良といっていい見た目の。
ただし、その学校は規則がゆるかったため、特にその少年だけが目立っているわけではなかった。
教室を見回せば、髪の色を染めたもの、制服を着崩したものは、ほどほどにいた。
「なあ、ちょっと話があるんだけどいいか?」
金髪の少年はそう言って、宝石少女を屋上へさそった。
宝石少女は席を立ち、二人で屋上へ向かった。
金髪の少年は、宝石少女の力を知っていた。
それで、この間の迷子の子供の話も知っていた。
家が近所だったためだ。
だから金髪の少年は言う。
「もう、力を使うのはやめろ」と。
しかし、宝石少女は頷かなかった。
悲しい顔をして、首を横に振るだけだった。