第38話 幕間6
では、ここで全知全能たる我が、解説しよう。
場所は、ケヴィンのオフィス。室内には、奴1人だ。手紙の山を前に考え事をしていた。
「……怪しい。プ・シェイに続いて、ラージャー、更にあの双子まで、俺の基を去るとは。」
そう言って、1通の手紙を脇へどける。隣には、手紙の山だ。
「……妖しい。何故、これ程『魔種』の目撃情報がある。付け加えれば、『封印』された持ち込み事例まである。これは、優先的かつ早急な調査が必要だな。」
そう言うと、伝声管で使用人を呼ぶケヴィン。あまり間を置かずに、帰って来る返信。
「代筆屋と、絵師を呼んで欲しい。組合で、手の空いている者を紹介して貰いなさい。」
使用人が、正確に復唱した所で、伝声管による通話を切ったケヴィン。
「しかし、奇妙な物だな。『魔種』の手配書を作る羽目になるとは。」
それだけではない。目撃情報と共に、冒険者ギルドとも打ち合わせする必要もある……。
* * *
と、ここまでで本作の『第一部』が、完結する。そこで、ここまでの物語を総括しよう。
当然、本作は、『追放物』だ。それは、ここまでの物語で表現されていよう。
とは言え、ここまでは、主人公1人の力だけで、『無双』出来ていた訳では無い。
あくまで、周囲の『仲間達』が、活躍しているに過ぎない。
それもこれも、主人公を『ド素人』から『新米冒険者』へとレベルアップさせた為だ。
また、件の『固有スキル:収納』もレベルが、低い内は大して役に立たっていない。
それもその筈。かのスキルが、日の目を見るには、主人公のレベルが、『7』以上必要だ。
そう、ここまでは、本作の『第一部』であり、『起承転結』の『起』である。
要は、物語の入り口に、到着したに過ぎない。やった事と言えば、登場人物紹介くらいだ。
即ち、全ては、これ以降『第二部』に、持ち越しとなっている。
『第二部』こそ『起承転結』の『承』であり、主人公の『成長』が、描かれる。
更に、仲間との『絆』や、乗り越えるべき『困難』など、内容は盛り沢山。
とは言え、人気の無い作品に、拘泥できる程、暇ではない。
全ては、諸君らの様々な形の『応援』次第だ。本作を生かすも殺すもそれ次第である……
* * *
以上を以て、『追放物流行の理由 第一部 初めての経験』完結です。
尚、継続には、高評価が、必須となります。
宜しくお願い致します。
では、いずれまた……。




