表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/38

第35話 初めての毒

「怒雄雄ぉっ!」

 『濃霧』から飛び出して来た奴を、戦斧で叩っ斬るラージャー。

 倒れ伏す『樹木型魔物』。当然、『戦闘不能』になった。

「死ぃっ!」

 左右の手に装備した双剣を、振るうディジー。倒れ伏し、動かなくなる『樹木型魔物』。

 当然、『戦闘不能』だ。

「射ぁっ!」

 矢を叩き込むルプレ。風穴を開け倒れ伏す『樹木型魔物』。奴は、『戦闘不能』になった。

「Trew! Trew! Trew! Trew! Trew! Trew!」

 襲い掛かる『樹木型魔物』共。狙いは、ニックだ。

 『麦踏』が、発動しました。……『回避』のレベルが、上昇しました。

 以下同文多数。

「くぅっ! おっ! とぉっ! はぁっ! えぇっ! ほぉっ!」

 ひたすら、敵『樹木型魔物』の攻撃を、回避し続けるニック。

「視える! 避け筋は、視えた。が、避けてばかりじゃ、敵の数が減らない。何とかしないと。救いが、あるとすれば、後の3人が、順調に倒してくれている事くらいか……。」

「ちぃっ! きりが、ねぇっ! こうなったら、これでも喰らえっ! 『奥義:怒剛力』!」

「『奥義:怒剛力』の結果を説明しよう! 『奥義:怒剛力』とは!

 『職業:蛮族』の『能力』だ。使用者の筋力を増強すると共に、最大で、使用者のレベル匹までの敵へ、攻撃可能になる。制限時間は、この戦闘中だ。以上である。」

「凄い……10匹の『樹木型魔物』を、一撃で瞬殺とは……流石、『蛮族』……。」

 ここで、波が引く様に、包囲網を後退させる『樹木型魔物』共だった。そこに……

「何だ。あの花が咲いた『魔物』は。」

「まずい! あいつは、私に『毒攻撃』を仕掛けた『個体』です! 警戒して下さい!」

 その言葉が、合図であったかの如し。色とりどりの花粉を、散布する『樹木型魔物』。

「気っ! こんなもんじゃ、アタイの肉体は、傷つかねぇっての!」

「先程、ニック様、プ・シェイさんと、一緒に飲んだ『肉体抵抗増強薬』のお陰で、平気です。」

「あたしは、さっき。そいつの抵抗に、成功しているわよ!」

「ゴヴォッ!」

 『麦踏』が、発動しました。……『毒耐性』を獲得しました。

 血反吐を吐くニックだった。

「ニック!」

「ニック様!」

「ニック君!」

「ゲベェッ!」

 『麦踏』が、発動しました。……『毒耐性』のレベルが、上昇しました。

 跪き、両手で身体を支え、ひたすら血液と共に毒素を吐き続けるニック。

「まずい。やっこさん、プ・シェイの言う通り知恵が回りやがる。プ・シェイさえ、倒せば、アタイらの勝ちがなくなる事を、知ってやがんだ。」

「それで、ニック君が、毒で倒れるのを、待っている訳! ラージャー。」

「最初は、30匹でした。私達が、1匹ずつ倒して残27匹。

 更に、ラージャーさんが、10匹倒して、残17匹。ここで、毒攻撃に切り替えました。

 後は、11匹をラージャーさんに回せば、1匹残りますから、足止め可能。

 更に、私と妹に2匹ずつで、1匹倒されても、1匹残りますから、足止め可能。」

「! それじゃ、2匹も残るから、プ・シェイを直接攻撃できるじゃない! なら、ここで1匹でも多く、あたしが、倒してやるわよ!」

 すると、波が引く様に、『濃霧』の中へと姿を隠す『樹木型魔物』共だった。

「ちっ! あいつら、知恵つけてやがる。アタイの『空間認識』の外へ出やがった!」

「射程まで、分かっているのでしょうか。ラージャーさん。」

「そこまでは、分からねぇ。が、アタイが、霧の中でも見通せる事には、気付いたらしいな。」

「ガヴァッ!」

 『麦踏』が、発動しました。……『毒耐性』のレベルが、上昇しました。

「ニック! 男を見せろや! 踏ん張れ!」

「ニック様! 辛抱です! プ・シェイさんの『魔術』が、完成すれば、治療できます!」

「ニック君! 頑張って!」

「ぐぶぅ……………………ッ。」

 地面に倒れ伏し、動かなくなったニックだった。

「ニック!」

「ニック様!」

「ニック君!」

「動くな! ルプレ!」

「でも、お姉ちゃん! ニック君がぁ……。」

「敵は、すぐに、包囲網を狭めます。持ち場を離れては、利敵行為です!」

「………………………………………………………………………………………………っ!」

「ラージャーさん、こうなったら、私達だけでも、『種』に切りかかりましょう。2人がかりなら、なんとかなりましょう!」

「いやなあ……アタイも、ヤりたいんだよ。それ。」

「まさか! 敵は、既に『空間認識』の『射程内』に、入った。と……。」

「こうなったら、ヤるしかねぇ。1匹でも多く、叩っ斬るだけよ。いいな!」

「『是非に及ばず』!」

 3人の声が、唱和ハモったした。


 * * * 



次回予告

第36話 初めてのトリック

ご愛読ありがとうございます。

面白ければ、ブックマークと、星をお願いします。

励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ