表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/38

第32話 初めての『魔種』

 あれから、保存食で簡単な、昼食をはさんで、ようやく『ある場所』に辿り着いた。

「これが、プ・シェイが、言っていた『森全体から感じる邪悪な気配』の正体ですか。」

「なんやてぇ……なして、こないなモンが、あるんや。『邪悪な気配』が、するの当たり前や。」

「おいおい、知っているのなら、説明してくれよ。アタイにゃ、さっぱりだぜ。プ・シェイ。」

「こいつは、『魔種デモン・シード』や。『魔種デモン・シード』ちゅうのはな、文字通り『種』や。これが、成長すると、『魔物』になるんや。」

「すると、3つ疑問がありますね。1つ、この『デモン・シード』は、どの様な『魔物』に育ち、如何なる『能力』を有するのか。2つ、現在の『進捗状況』ですね。プ・シェイ。」

「ん? 今、『3つ』って言ったよね。何で、『2つ』でやめちまうんだよ。ニック。」

「では、『種』とは、何なのか説明できますか。ラージャー。」

「そりゃ、あれだろ。花が咲いた後、できるもんじゃねぇか。ニック。」

「つまり、『デモン・シード』を生み出した『花』がある。それが、3つ目です。プ・シェイ。」

「ほなら、『3つ目』から、答えまひょ。それが、手っ取り早いわ。それはなぁ……。」

「おいおい、勿体着けんな。アタイにゃ、さっぱりなんだからよ。プ・シェイ。」

「『魔王』や。」

「おいおい……そりゃ、おとぎ話だろ。とっくの昔に、『くたばった』んだろ。プ・シェイ。」

「それなら、僕も知ってます。昔々、勇者に『倒された』って。その勇者の子孫が、この国の『皇帝』だとも。『皇帝』陛下のお陰で、平和を謳歌できているんだとね。プ・シェイ。」

「それは、間違いやあらへん。確かに、『魔王』は、『死んだ』んや。けど、『死んだだけ』どすえ。『滅んだ』訳でも、『消滅』した訳でも、おまへんのや。」

「え! それって、『魔王』って、『死』んでも『復活』できるんですか。プ・シェイ。」

「せや。これは、仮説やけど、前回受けた攻撃を、『覚えて』それに対する『完全防御』を、手に入れとるっちゅう話もあるんどすえ。後、『進捗』を聞いとりはりましたな。ニックはん。」

「そうですね。是非とも聞きたい所ですね。プ・シェイ。」

「因みに『あれ』が、『魔王』になるには、後数百年かかるやろうな。ニックはん。」

「そうなんですか。それでも、かなりの力を有していますよね。プ・シェイ。」

「そうやなぁ、『あれ』を生み出した『目標』は、『魔王軍幹部』を、生み出す事でっしゃろ。つまり、こいつは、『魔王』の『尖兵』なんどすえ。」

「成程、とすると、意外に『親切』ですね。『魔王』って。」

「おひおひ……そりゃ、『親切』って言うより、『迷惑』じゃねぇのかよ。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「うーーん、今アタイら、生きて帰れるか、どうかって感じなんだがよぉ。なぁ、ニック。」

「自分が、『復活』した事と、これから、人間を『皆殺し』にするつもりだと教えてくれてますよ。それに、今ここで、こいつを『倒す』と、僕達『ヒーロー』になれます。」

「おひおひ……その『根拠なき自身』は、何処からでてくるんだよ。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「その、『ポジティブシンキング』、アタイらにゃあ、真似できねぇよぉ……けど……。」

「そこに、シビレル! アコガレルゥ!」

 唱和ハモったした2人の「流石、ニック!」は、「そこに、シビレル! アコガレルゥ!」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。

 某奇妙な冒険とも無関係に相違ない。

「ほな、『あいつ』を、『封印』するさかい。それさえ済めば、この森も元通りになるさかい。ようするに、時間稼ぎよろしゅう。お二人さん。」

「よっしゃ! ようやく、アタイ好みの展開になったってもんだぜ! ヤるぜ! ニック。」

「是非に及ばず。」

 ニックの一言が、合図であったかの如く一行へと一斉に襲い掛かる『樹木型魔物』共だった。


 * * * 



次回予告

第33話 初めての双子救助

ご愛読ありがとうございます。

面白ければ、ブックマークと、星をお願いします。

励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ