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第29話 初めての師弟関係

「先生のお陰で、『魔術学士』への転職、『魔術理論』3レベルと、『初級魔術』を3つ習得出来ました。ありがとうございます。プ・シェイ。」

「ええんよ。ニックはん。それに、『魔術学士』の『魔術理論』レベル個までの『初級魔術』を習得可能も達成。これで、パーティー戦力も飛躍的に、向上したどすえ。」

「これで、『魔術戦士』になれば、『魔術理論』レベル個までの『初級魔術』に加えて、『魔術理論』レベル個までの『中級魔術』も、修得可能なんですね。プ・シェイ。」

「そや、まあ『初級魔術』に関して少し増えるけどな。そないなるには、あんさんの努力次第や。『中級魔術』の授業も、みっちりやるさかい、しっかりついてきはるんやで。ニックはん。」

「はい。頑張ります。プ・シェイ。」

「そや。あんさんは、筋もええし、これから、どんどん伸びていくやろ。ニックはん。」

 等と盛り上がる師弟関係の2人だった。その脇では、陰々滅滅とした者もいる。

「……アタイのニックが、遠い所へ行っちまったぁ……浮気者ぉ……。」

「今、ここにいるじゃないですか。それに、『魔術戦士』になるまでですよ。ラージャー。」

「ほな、今日の依頼は、どれを受けはるんでっしゃろ。ニックはん。」

 相変わらず、ラージャーのいる所、遠巻きになる男性冒険者達。その様、モーゼの如し。

「それにしましょう。上から2番目、左から2番目の奴です。取って下さい。ラージャー。」

 無言で、張り紙を取り、ニックに差し出すラージャー。お礼を言って、受け取るニック。

「森の樹木が、モンスター化しとるんか。物騒やな。で、なしてこれなんや。ニックはん。」

「ここ、材木の生産地なんですよ。で、こんな事件が、発生するとどうなると思いますか。」

「そうだな。材木どころか、森に入るのも危険だぜ。下手すりゃ、材木の値上がりだな。」

「すると、材木の生産者だけじゃなくて、材木を扱う商人や、大工まで沢山の人が、困ります。これは、出資者が、沢山いる事を意味します。つまり……。」

「だから、報酬も高いって訳か。よし! いつものニックに戻ったな。」

「ゲホッ! ゲホッ! ゲホッ! 痛いですよ。背中叩くのやめて下さい。ラージャー。」

「おっと、すまんな。ニック。じゃ、早速、出発だな。」

「そう言う事なら、準備したい物が、あるんどすえ。買い物に、つきおうてくれはるか。」

「お買い物ですか。一緒に行きましょう。で、何処へ行くのです。プ・シェイ。」

 そんなこんなで、準備ができると、出発する3人だった。


 * * * 



次回予告

第30話 初めての森(説明編)

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