第11話 幕間2
これが、『神聖スキル:麦踏』である。効果の程は、ご覧の通りだ。念の為、言っておくが、賊に襲われた際も、駅馬車に置き去りにされた際も『麦踏』は、こっそり発動していた。
因みに、『神聖スキル:麦踏』は、『魔法』など如何なる手段を用いても『認識不能』だ。
更に、本人のレベルが、上昇すれば、『固有スキル:収納』のレベルも上昇する。
愉しみな事だろう。これは、着実に、確実に、堅実に効果を発揮しつつある。これで、彼には、『サクセスストーリー』が訪れる。次は、女性冒険者が、彼に協力する事だろう。
賢明なる読者諸君は、お気づきであろう。かように街に近い所で、略奪などすれば、官憲に発見されるリスクが高いと。が、略奪品が、多量高価である確率が高い事も事実。
実の所、彼等のアジトは、街からかなり離れている。時折、ここまで遠征しているのだ。
ちなみに、街に手下を潜入させ、情報収集させる事も肝要だ。が、これも官憲に発見されるリスクとの闘いである。また、偽情報を掴まされたり、確保され仲間を売るかもしれない。
もし、あの場で主人公に死んでいたら、どうなっていたか。
すると、故郷では、『冒険者なんて夢を見ていると本当に死ぬぞ』と言う教育が確立する。
それは、反面教師であり、真実では無いものの、間違ってはいない程度の話しだがな。
ちなみに、頭目は、デキトーを殺害後、ニックが馬車から降りたのを、目撃した。
そこで、手下の1人……ポーンナムに、始末を命じていた。そして、自分達は、駅馬車を奪うつもりだった。何しろ、馬だけでも高く売れるからな。今回は、こんな所だな。
* * *
次回予告
第12話 初めての再会
ご愛読ありがとうございます。
面白ければ、ブックマークと、星をお願いします。
励みになります。




