序章
お久しぶりです。久々にモチベーションがあったので早速書きました。
かなり訛ってる部分もありますので…
後で読みのルビをふるのですいません…
遠近感を失うような透き通った青空のある日、一通の手紙が届いた。
俺は手紙を開くと、大きな文字で『不採用』と書かれていた。
なんだこれは、いや見覚えがある。そうだ今日発表だったか!
俺は陽が約8周前、我が祖国へ忠誠を誓うため、王国の兵士に就くために試験を受けたのだ。というのは嘘で…この貧乏で不遇な生活から抜け出し、出世しそして、安泰に暮らすために受けたのだ。忠誠なんぞどうでもよい。
しかし、何故…なぜだ。俺はこの日のためにどんなに努力をしたと思っているんだ。太陽が何度出入りを繰り返したか覚えていないほどだぞ。実際、試験内容はとてつもなく簡単だった。もう一度言っておこう、めちゃくちゃ簡単だった。なのにどうして。
怒りを覚える、腹いせといってもよいだろう。なんだこの手紙は!聞いてないぞこんなの来るなんて、嫌がらせか?
俺は手紙を持って外へ出た。怒りは頂点を超え、幼少に旅行で観た山の噴火より大きな噴火が脳内で活動する。
こうなったらいっそ城まで特攻して抗議してやる!親族は皆とっくの昔に死んだし、母親は俺がものこごろついた頃にはいなかった。クソ親父に関しては本当にクソだ。一生恨み続けるだろう。唯一の友人、いや兄弟とも言える牛のヴァンはこれを受けるために売ったんだ。クソー、こんなになるならヴァンと一緒に死ぬ方が本望だ。すまねぇヴァン…もっと幸せな家庭だったらなぁ。もう俺は無敵だ、現在この世に名残惜しいものなんてないぜ。
目の前には大きな建物がそびえ立つ。この王国の城である。久々にこの場に訪れるが、やはりピリピリとした緊張感を持つ。体は少し震え、たらりと汗も流れ出る…いやこれは走ったせいかもしれない。門番を行なっている兵士は敵に向けるような形相でこちらを見ている。一歩手前に足を運び、大きく息を吸って―――
「こんなふざけた国なんか滅んで消えやがれ!俺は反逆してやるぞ!なんだこのふざけた手紙は、この国のお偉いさんは最悪だな!ボケナスが!!!」
手紙を投げつけ思いっきり叫んだ。俺も何を言ってるのかさっぱりわからない、むしゃくしゃする心を解放したまでだからだ。
唖然とした門番はすぐさまに俺の元へ走り、持っている槍の根の部分で殴りつける。
「貴様!その態度はなんだ!」
「王への侮辱であるぞ!」
逃げる気力も失った俺はただただ倒れなすがままであった。ああ、俺はこれでおしまいなんだな。なんて結末だ、童謡の『フルンデースと猫』より酷いな、ははは。来世ははもっと裕福で貴族な生活がしたいぜ。
倒れ伏し縄を腕に巻かれているその時、怒号のような声があたりを鎮めた。
「このボンクラな下っ端が、何をしているのだ!」
大きな書物を持ち、眼鏡をかけた司祭のような格好をした男がそこには立っていた。男は先程投げつけた手紙を拾い上げ、読んだ。小声で「やはりか」と聞こえた気がする。口の動きではよくわからない。眼鏡をくいっと掛け直し、
「その者は客であるぞ。適切な対応をせぬか!」
一体に何が起きているのだろうか。俺が客?予期せぬ状況に少し混乱する。申し訳ございませんと、兵士達は即座に俺を解放する。縄は緩くなり身体への束縛は全て消えた。一度冷静になろう…いや、一発ぶん殴られたから既に冷静だ。まだ頰はヒリヒリする。
司祭は俺に手を差し伸べ
「よくぞ来てくださった。是非とも歓迎をしようではないか」と淡々と話しかけてくる。
この時は俺には、男にどんな大悪人でもその罪を赦すような神のようなオーラが立ち込み、一点の光が差し込んでいた……
ような気がした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。一人称視点を書きたいがために今回の物語を執筆しました。
ここから話を盛り上げるのでどうかよろしくお願いします