変わらない思い
「えーっと・・・、とりあえずはシステムは色々変わってるが、各国家同士の戦争に加わって、ストーリーを進めていくって形式に変わっただけってことか?」
俺はもう一度しっかりと、運営から送られてきたメッセージに目を通していた
そしてその内容の中、一番重要な事柄であると思われる事について呟いた
はじめは、よくアニメなどで描かれている『異世界転生』的な展開かと思いきや、普通にリアルアクションゲームからリアルアクションRPGにこのゲームがバージョンアップしただけであった
初めの『異世界へようこそ』というのは、運営からのブラックジョークのようなものだったらしい…
そして運営からの説明メッセージに書かれていた内容は至って簡単、とても分かりやすいものだった
①ここの時間の流れは、地球に比べてゆっくりなものだということ
(ここで流れる時間は、現実世界『地球』での時間の七分の一、地球での1日が、この世界の7日に当たる時間の流れのようだ・・・まあ真偽は定かではないが)
②俺たち、『ガンソードオンライン』ユーザーは、各地にバラバラに転送されており、ゲームプレイ時の装備や持ち物をそのまま受け継いでいるということ
(所持金に関しては、この世界での通貨『日本円での10万円相当』を所持金として配布しているようだ
まあ、普通にゲーム内での通貨を無くした理由は分からないが・・・)
③各プレイヤーは、各々自由な行動をとっていいとのことだ
(戦争に参加するもよし、普通に生活するもよしとのこと)
以上がこの世界についての大まかな内容についてなのだが、それよりも最も重要なルール、このゲームの根幹に関わる『ゲームの勝敗』についてなのだが・・・
これに関しては全くと言っていいほど別の物に変わっていた
「まさか、この世界への貢献度・・・。例えば、戦争への貢献、魔物の討伐での貢献、この世界の経済にもたらした貢献とかいう、さまざまな貢献でポイントが加算されるシステムになるとはな・・・
一定期間後の総ポイントが多いチームが勝利条件だとは・・・」
何やら説明によると、これまでの複数対複数の戦闘は、戦争や魔獣の群れを想定した戦闘形態だったようだ
この世界には剣や魔法があり、それも基本的には近接で使用するものなようで、そういう意味でもこれまでの戦闘経験は活きてくるようなのだ
そして当たり前の話なのだが、戦争は1人では行わないし、世界経済は1人では回せない
そのため、チームのメンバーたちと協力することが、より多くのポイントを獲得することに繋がるようなのだ
そして俺的にはかなりありがたい事なのだが、初めからチームはそれぞれ決められているようだ
オンラインぼっち対策が初めから実装されていることは、大変喜ばしいことだ
大変喜ばしいことなのだが・・・
「まあ、俺の場合は決められたチームにすら
馴染めずに、蚊帳の外なんだろうけどな・・・」
俺はリアルでの自分のぼっちぶりを思い出し、若干疲れた表情でそう呟く
ただまあ、初めからチームのメンバーたちと一緒に行動って感じのシステムになってなかったのが、せめてもの救いかもしれない
とまあ、ここぐらいで運営からのお知らせを読んでるのも終わりにしようか
そうして俺は、とりあえずは他のメンバーとは別の方向性で貢献しようと、冒険者ギルドに向かって歩き出していた
マップである程度の位置は確認できるので、迷うようなことはない
「やっぱり異世界といえば、冒険者ギルドだよな。」
俺はアニメの定番を思い出しながら、逸る気持ちとともにその歩みをギルドに向けて進めるのだった・・・
しかし、このとき彼は知らなかった…
そもそもバグのせいで、自分がこの世界に一週間遅れて到着したことと
プレイヤーの基本スタート位置が王城に定められていたということを…
ーーーー王城にて・騎士副団長視点ーーーー
「それでは、そなたたち「ニホン」からの戦士たちを、我が軍の正式な戦士として認めましょう。」
私、レイナ=エルナルドの目の前では、「ニホン」という国からの使者兼戦士として訪れた者たちが、この国の騎士として女王さまに承認されていた
先程彼らから我が国「エイレーン王国」の騎士に成るべくして名乗りを上げてきたのだ
最初彼らは、城の広間で顔を見合わせて何やらヒソヒソと話し合っていたのだが・・・
話がまとまった様子をみせると、先程のセリフを私たちに申し出てきたのだ
こちらも彼らの突然の出現に驚いてはいたが、数日前に行われた、巫女の神託によって、異世界からの者が訪れると伝えられていたため、「なんだ!なんだ!?」と慌てるようなことにはならなかった
しかし、こちらに訪れる事以外は何も分かっていなかったため、彼らをどのように扱うべきなのかと頭を悩ませていたが・・・
彼らたちが自ら騎士に志願してくれて、とても助かったというのが現実だった
「では、そなたたちも突然のことで疲れも溜まっているでしょう・・・
客室を用意しています。そこで今日はゆっくり休むと良いでしょう。
細かい説明などは明日行うこととします。」
王女さまはそう仰られると、「ニホン」からの戦士たちを王の間から下がらせる
そして「ニホン」からの者が、全員王の間から出て行ったのを王女さまは確認すると、次はこちらの方に顔をお向けになる
「レイナ、神託通りに彼らはこちらの国に訪れた訳ですが・・・
彼らは我らの味方に、力になってくれるのでしょうか?」
王女さまは、先程の堂々とした態度とは裏腹に、この国の行く末その未来を想像して、少し不安そうに私にそう仰られる
王女の立場としては、このような弱音を一家臣である私に仰られるのは良くないのだが・・・
現在のこの国の人の置かれている状況を考えてみれば、そうなってしまうのも仕方ない事なのかもしれない
この国は現在、多種族が混合して生活するも最後の国家である
その中でも比較的に人族の数が多いこの国は、人族の国家『ヒュマノス』と他の国家から呼ばれている
そして多種多様な種類の混在するこの世界で、人族は一番ステータスが低く、何にも特化していない列島種族だというのがこの世界の常識だ
そのため、現在この国は多種族からなにかと攻撃をされて、かなりギリギリの状況で持ちこたえている状態といっても過言ではない
またそれ以外にも、そのプレシャーに耐えきれず、国王さまは病死、家臣も数人逃げ出す者が現れていて、完全にこの国に逆風が吹いているという状況だ・・・
そんな状況だからこそ、私たちは彼らの身元を探る暇もなく騎士として起用したという訳だ
しかし姫さまは、そんな危機的状況でも諦めることなく、お父さまの後を引き継いで、努力なされている
私はそんな真面目な姫さまを、これまでも、そしてこれからもずっと見守りるのだ
そして、そんな後ろ姿を見守り続けてきた私が今出来ることは・・・
「はい!心配ございません!
私、レイナ=エルナルドが王家の騎士の名にかけて、彼らをこの国の精鋭の騎士として育て上げてみせます!
ですから、姫さまは安心してお守り下さいませ!」
彼らをこの国の国防でも活躍できるような人材に、私自身の手で育成することだ!
私はそんな想いと共に、姫さまを安心させるべく、なるべく大げさに、けれどしっかりとした思いで誓いの言葉とともにそう姫さまに宣言する
すると姫さまは「レイナがそう言うなら安心ね」と、ありがたいお言葉をかけて下さる
「ありがとうレイナ!あなたが面倒を見てくれると言うなら安心ね。
私もあなたが、いえあなたたちが動きやすいように全力を尽くすわ・・・皆さんをよろしくね?」
そんな健気で頑張り屋な、昔から見てきた姫さまの姿を思い出しながら、私は改めてこの姫さまのために頑張っていこうと、確かにそう思うのだった・・・
主人公の活躍までもう少し、もしかしたら次の話ぐらいかもしれません
時間的矛盾から、多少無理があるかもしれませんが、主人公のスタート時期を変更しました
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