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変わってしまった世界で


「あれ?メンテナンス終了の予定時間が出たのに、肝心の内容の方の公開は無しなの?」



俺、神木かみき 宗馬そうまは『ガンソードオンライン』の公式アカウントからの告知を見ながらそう呟いた



今回のゲームアップデートは、このゲーム始まって以来最長の、24時間越えのメンテナンスを行っていた

そして、先程運営からの告知としてメンテナス終了時刻とお詫びのお知らせが告知されたのだが・・・

肝心のアップデート内容の全容についての書き込みが一つも書いていなかったのだ


これには掲示板のほうでも、「おい!アップデート内容は?」とか「長期メンテナスしたんだから、情報の開示くらいはしろよw」などと、さまざまな意見が書き込まれていた



まあ、これだけユーザーを待たしているので、こういう反応になるのもしょうがないとは思うが、こんな意見が出てくるということは、それだけみんな新しいアップデートが待ち遠しい証拠だ


かくいう俺も・・・


「アップデートは少しドキドキするが・・・

敵を狙い撃つという事だけは変わらないからな」



楽しみだという気持ちはみんなと同じであったが、みんなとは違う意味で今回のアップデートは期待していた


新機能の追加は確実に来るだろうが、俺はメンテナス前の事前情報で開示されていた『海外のユーザーとの対戦』という文言に注目していた

これによって、海外の強い人や面白い戦いをする人に遭遇するかもしれない

そして俺はそれを攻略し、狙い撃つのがとても楽しみなのであった


「おっと・・・、メンテナス開けるまで、もう1時間ちょっと前なのか・・・

メンテ明けに備えて、1時間だけ仮眠を取っとくか」



俺は自室の時計を見てそう言うと、開いていたパソコンを閉じ、時計のアラームをメンテナス終了の直前に設定する

早くゲームがしたいという気持ちで、目が冴えてしまっているが、しっかりしたゲーム操作には、適度な休息も必要なのだ


そうして俺は、メンテナスが開けるのを、遠足前の子供のようなワクワクした気持ちになりながらも、しっかりしたゲーム操作のために睡眠を取ることにしたのだった


・・・・・

・・・・

・・・

・・


「ふぁ〜、よく寝たぁ

ソロソロ、メンテ明けるよな?」



俺は1時間の睡眠から目を開け、再びパソコンの画面と向き合い、まだかまだかと心待ちにしていた

パソコンの隣には、VRリンクゴーグルが置いてある

これを装着する事で、『ガンソードオンライン』の世界に入れるのだ


俺はしっかり頼むぜと、ゴーグルをひと撫でして、パソコンのカウントタイマーに向き合う


「あと、開始まで1分」



俺はそっと、ゴーグルを自分の顔に装着し、ベットに横になる


このゲームは、脳波でゲームを操作するため、体の直接的な動きは必要ないのだ

そのため俺は、こうしてベットに横になってこのゲームをプレイしていた



ちらりと横目でタイマーを見ると、開始まで30秒を切ったのを確認した


「(30.29.28・・・)」



心の中で時間までの秒数を数えていく

そうして、数えているうちについに10秒を切った


「(10.9.8.7.6)5、4、3、2、1」



最初は心の中で、最後は実際に声に出して

そうして、ついにその時がおとずれた


「ゲームスタート!全て狙い撃つ」



そうして、独特のゲーム起動音とともに、『ガンソードオンライン』がスタートした


ゲームが始まるまでの数秒、どこからか何かを呼ぶ声が聞こえてきた気がするが、何か反応するよりも先に、俺、『S』はもう一つの世界に呑み込まれていったのだった・・・


・・・・・

・・・・

・・・

・・


「な、なんじゃこりゃあ〜!!!」



俺はこの『ガンソードオンライン』の世界に到着した

そして、一体どんな変化があったんだ?と期待しながら目を開けると同時、その第一声目でそのように叫んでしまった

なぜなら驚く俺の眼前には・・・


「これ・・は・・・、どこかの街?」



俺がこの世界にダイブした瞬間、どこか硬い地面に落ちていた

いてて、どこだよと思って目を開ければ、そこには何やらかつての、どこかの古い都市にあるような市場のような露店が所狭しと広がっていたのだ


しかしここが日本とは違うのは、そこに行き交う人々の中には、アニメ、漫画で見るような獣人やエルフ、さらには人型の機械のようなものまで歩いている事だった



そのため、無事『ガンソードオンライン』の世界に来れたことは確かなのだ

確かなのだが・・・


「ゲーム変わりすぎだろ・・・

一昨日までは、荒野とか廃ビルとかでドンパチやってたのに、いきなりこんな生活感溢れる場所になってるとか・・・」



俺はあまりのゲームシステムの変更に戸惑いを隠せずにいた

そして俺はそんな不安から、その場でキョロキョロと辺りを見渡してしまった

だがそのことによって、後ろにいる心強い存在を思い出し、少し逸る心が落ち着いた


そう、俺がこのゲームで愛用している狙撃銃がしっかりと俺の背中に収まっていたのだ


このゲームが始まって以来の付き合いになる相棒が常に側にいてくれる

それだけで俺が落ち着くには充分な理由であった


「とりあえずは、全く状況が呑み込めないから

公式のメッセージ画面の方から確認するか」



冷静になった俺は、とにかく今は情報だと思い

視界の端に表示されているオプション画面から、運営からのメッセージ画面を表示する


そうして、そのメッセージを読み始め、最後まで読み終えた俺は、そのメッセージ画面を閉じて一言


「ふざけんなぁ!!!」



そう叫ばずにはいられなかった



なぜなら運営からのメッセージには冒頭に一言、こう書かれていたからであった


「異世界へようこそ」と・・・


これで導入部分の終了です


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