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浄罪師 -present generation-  作者: 弓月斜
【肆章】造られた殺意
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寝坊

頬に爽やかな風が流れる。拝殿の中に差し込む日光が目に入って、目が覚めた。


 そして辺りを見回す。既に伊吹の姿は無かった。


ところで今何時だ?蒼の頭の中に疑問が浮かび、急いで外へ出る。


既に日は昇りきっていて、空全体が眩しかった。二度寝の恐ろしさを痛感する蒼…

すると、後ろから柏木の声がした。


「蒼くん、おはよう」


「おはよう…」


「あのさ、今何時だと思う?」


先程までの笑顔とは打って変わって、真面目な顔つきで聞いてくる柏木…


「七時…くらいかな、多分」


後ずさりながら、控えめな声でそう言う蒼に、


「十一時ですけど!しかも、本日の任務一つ、既に終了していますけど?」


十一時?蒼はぼんやりする頭で考えていた。え?十一時だと?しかも任務が終了って…


「七時頃に黒羽が起こしに行ったのに、全然起きる気配がなくてね、急な任務だったからそのまま置いて行ったって訳よっ!」


その直後、左足に激痛が走る。柏木に回し蹴りを食らった蒼はそのまま、地面に蹲る。


「情けないわね…」


月日が流れるに連れて、柏木はどんどんサド化していった。まぁ、初めからそんな性格だということは知っていたが…黙っていれば美人なのに…勿体無い!


「で…今日の任務はどうだったの」


呑気に聞く蒼に呆れ顔の柏木は、


「今日は飛び降り自殺志願者の撤退だったわよ」


「飛び降り自殺志願者の撤退…」


 いったい何人目だろうか、殺人の多いこの時代の中では自殺率も当然高いのだ。毎日の様に死にたがる人が出現する。何処からともなく、毎日、毎日…蒼は溜息をついた。


「今日の任務はまだまだあるわよ~黒羽が呼んでいるからこっち来て」


蒼の右手首を掴んだ柏木は、強引に神殿の方へと引っ張っていった。


(/・ω・)/

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