私の婚約者はゲームの攻略対象
ユノプルノ大国
建国1756年建つ我が国はその昔旧約聖書に月の女神が泉に降り立ったとゆう逸話からユノプルノ(月の泉)と呼ばれてる。
本当か嘘かは分からないが月の女神が大昔に厄災を封じる際に深手を追い倒れていたのを当時の王太子が救ったそうだ。その後月の女神が去ったあと今度は隣国との戦争で王太子が負傷し泉に降り立った月の女神が助け王太子と隣国を退けてなんやかんやがあり2人が結ばれることによって月の女神の加護がある大国と云われて今でも協会の聖書に記されている
まぁ私の前世でも科学が進んだ世界だったけど神話とかあったから不思議ではない。信仰心は自由だし。その降り立った月の泉が未開の森のどこかにあるらしいし、無宗教の私には分からないけどそれより問題は、
チラッと紅茶を飲むふりをしながら目の前に座っている方を盗み見る
広い部屋の壁紙はロココ調に似たモノトーンにそれに合わせたベージュ系のモダンな家具が華やかさがありながらシックでおちつた部屋になっている
そんなあきらかに高級なソファーに座る姿は11才ながら優雅さがと思ってた
なんで、こうなったんだっけ?
まぁきっかけは、あの家族の夕食の時に一年間テオドール殿下のこと忘れてた嫌ちがう、ちょっと頭から抜けてただけでです
けどね、テオドール殿下からも一年間手紙来なかければあの崖から落ちたわあともお見舞いにも来ることはなかったから私に関心がないんじゃないかと思う
相手は王族だし(仮にも)婚約者だから今度会えませんか?と手紙を書いてたらなんのタイミングかテオドール殿下から手紙が届いた。内容は留学を終えて戻って来たから近々城で非公式のお茶会をしましょうとのお誘いだった。
そういえばテオドール殿下はちょうど一年前に隣国へ短期留学へ行ってたんでした!私見送るときにメチャクチャ号泣してたのになんで忘れてるのよ!!
そんなわけで予定をあわせて、今はテオドール殿下とテーブルを挟んで二人でお茶してます。けどもうカップのお茶は飲みきってるのに飲んだふりをしながら話す内容を考えてるけどまとまらないしなんかもうどうしよう…
「アナベル嬢さっきから何か言いたそうだけどどうかしたのかな?」
カチャ…とカップをソーサーに戻して笑顔で言ってごらん?と優しそうな雰囲気でいうけど私は知ってる。
銀髪の少し癖がある髪を後ろにみつあみで結ぶ緑の目をした方
第2王子テオドール・アダムス 乙女ゲームの攻略対象
幼いころから文武両道で基本的になんでもそつなくこなすが王位には興味がなく兄である第1王子の臣下に下り兄を支えようと思っている。いわゆる天才肌だが逆に出来ないことがある人が不思議で理解できない
度々政敵を策略で嵌め相手を再起不能になるまで追い詰める氷のような冷たさがある。そんな彼2つ年下の自身の婚約者であるアナベルにさほど興味がない。婚約者だけどあまり接点がない癇癪ばかりおこすアナベルのことをどう思っていたのかゲームでは明かされていなかった
ヒロイン登場してからは妾の子でありながら礼儀と知性に優れていて自分でも思いつかない考えをもつヒロインに次第に興味をもつようになる。
ヒロインと第2王子が悪役令嬢に邪魔されながらも引かれ合う話が民衆には王道ラブストーリーとして広まりそんな二人を盲目的に応援していた第2王子の従者に二人の仲を邪魔する存在とされ暗殺されるアナベル。
(よくゲームの断罪で婚約者に婚約破棄や追放されるんじゃなくて従者が勝手に行動するからテオドールの考えが分からないんだよね)
「アナベル嬢?」
「っ申し訳ございませんテオドール殿下、久しぶりの王宮に少し緊張していただけです。それで話とはなんでしょうか?」
あぶない考え事しててテオドール殿下のこと忘れてた
殿下は顔をしかめて一瞬緑色の目が濃い緑にみえたけどすぐに笑顔に戻った。けど目が笑ってない、もともと笑顔を絶さない人だけど目が笑ってないから怖い……
「私が留学している間に怪我をしたようだけど体調はその後どうだい?」
「(もう1年前の怪我なんて今さらでしょ)はい、怪我は治ってもうすっかり良くなっておりますわ」
「……そう、それは良かった。ずいぶん雰囲気が変わったけど何か良いことでもあったかい?」
雰囲気変わった?自分ではそう思わないけど久しぶりに会った殿下が言うんだから変わったんだろうな……もしかして、ソファーから立ち上がり殿下に駆け寄って
「テオドール殿下!私を見てどこか変わったところはありませんか!?」
「変わったところ…?……少し痩せてもっと可愛らしくなったかな」
「そうでしょう!私この1年ダイエット頑張りましたの!残念ながらボンキュッボンのスリムボディーにはなれませんでしたがこれでも……え?殿下私のこと今かわいいって……?」
言ったけどそれがどうかした?って顔してるけど、お世辞でも婚約者に可愛くなったと言われたらやっぱり嬉しいじゃん?なんかスリムボディー言った自分が恥ずかしい……穴があったら入りたい
ゴホンっと部屋の隅にいたメイドに咳で注意されあわててソファーに戻り座り直した。
「それで今日呼んだのは後2ヶ月後に君の誕生日パーティーが開かれるのでその話をしようと思ってね」
「え?あの、私の誕生日にテオドール殿下は来ていただけるのですか?」
「あたり前だろう私は君の婚約者なんだから当日もエスコートさせてもらうよ?去年はできなかったけど婚約してから何度か誕生日を祝ったりしただろう」
……そうだっけ?おかしい記憶が朧気だ。
ゲームのテオドール殿下と悪役令嬢のアナベルはたいして仲が良くなかったはず誕生日パーティーに祝われたことなんてあったっけ……?なんか…頭が霞む
「……アナベル嬢体調が悪いなら今日はもう帰った方がいい。顔色が悪い」
「………殿下」
大丈夫ですと言ったけど本当に具合悪そうだからと今日はお開きにして殿下に屋敷まで送ってもらった
ここは乙女ゲームの世界そのはず。舞台になる中等部にはヒロインが現れゲームが本格的に始まる
何度もやった大好きなゲームなのに内容が具体的に思い出せない
馬車の中で窓から流れる風景を見ながら考え込んでいる私を殿下が見てることに気づかなかった