恥を知りなさい
夏の月もそろそろ終わる頃。
さすがにヨークットル公国の使者達も自国にいい加減帰らなければと思い始めたのか一部の公国民が帰国した。
ーーーーそう一部の公国民が。
つまり、公女様はまだ帰国してないんだよね
公女様がいつまでも自国を抜けて大丈夫なのかと思ってたけど、どんなやり取りがあったのか公女様は留学と言うことでもうしばらく王国に留まるらしい。
ちなみに公子様は帰国した。
そして、私がなにしてるかとゆうと
「カロリーヌ様は本当に愛らしいですわ」
「わたくし公国へはまだ行ったことがないとお話したら公国の流行りや見所を教えてくださいましたの」
「他国の方なのに王国の治安や警備がどうなっているのかと聞かれましてね。わたくしたちの国の安全面でさえ気にかけてくださるなんて素晴らしいかたで、テオドール様とも並ぶとお似合いでうらやましいすわ」
いつか絡まれた三人貴族娘にカロリーヌ様がいかに素晴らしいか語り聞かされてます。
なんでこうなったのか思い返すと新しくできた、王都の広場の噴水を見に来たのが原因なんだろうな
『水・光・音と緑』をテーマにした広場は青葉が生い茂る広場の真ん中に大きな噴水から水がながれてる
数時間ごとに音楽と一緒に噴水の吹き出かたも変わるし、夜になればライトアップされてすでに人気観光スポットとなってる
夏も終わりに近づいてるのにまだ猛暑は続くし、習い事の後に涼みに来たらまさかバッタリ再開するなんて
「そういえば、アナベル様は最近なにをしてるのかと気になってましたの」
「テオドール様とカロリーヌ様のお話は度々聞こえてきますのに」
「あぁ!もしかして……婚約破棄されたんでしょうか?」
それなら、お気の毒に。なんて
全然そんな風に思ってないのは丸分かりで、みててあきれるしかない
適当に聞き流すのがいいのかもしれない
けど、最近機嫌がわるい
「まぁ!婚約破棄なんてしてませんわ?カロリーヌ様とテオドール様はご友人で来賓されたかたなのだから一緒にいてもおかしくありませんわ」
三人娘の口調真似してオホホホって笑い返したら、ひきつった顔で固まるかたまる。
「それに、あまりそうゆうことを人に話さない方が良いですよ?」
「っなんですって」
「わたしはテオドール様と正式に婚約を結んでいます
それなのにカロリーヌ様とお似合いだと親密などと言いふらせば、テオドール様は婚約者がいる身で不貞をする人だ、カロリーヌ様は婚約者がいると知りながら平気で手をだす人だ、とお二方の印象を悪くさせてしまいます」
「「「!!」」」
「ですから、そのような話をあまりしない方がいいですよ?我が国も公国も貶めかねない話ですから
そうでしょう?カロリーヌ様」
「えっ!?」っと三人娘が後ろを振り返ると、木と木のあいだから強張った表情のカロリーヌ様と護衛の方が一拍おいて姿を表した
「ごきげんよう、カロリーヌ様。お話は聴かれてましたか?」
「………」
「ちょっ!?アナベル様っ失礼では!?」
三人娘の内の一人がギョッとした表情で苦言を言う。
たしかに、目下の者が目上の方に先に話しかけるなんてマナーがなってないと思われる
しかも、盗み聞きしてましたよね?みたいな言い方は公女様に失礼極まりない けど
「話を聴かれてたなら早いなと思ったまでです
わたしも先日少し話しただけでカロリーヌ様のことをよく知りませんが、テオドール様の友人であるカロリーヌ様が先ほど言ったような方でないと思っております」
「あ、あなたに言われたくないわ」
「そうですね。たしかにわたしはグレース様とテオドール様の間に割り込む形で婚約者の座を手に入れました。
そんな恥知らずなわたしと同じことをカロリーヌ様はするはずありませんよね?」
「っ、帰るわ!あなたみたいな人とは話したくもない」
「カロリーヌ様っお待ちを!」
顔を真っ赤にしてカロリーヌ様は早々と帰っていき、護衛の方々が慌てて後を追いかけて行く
「公女様に対してあのような物言いをするなどフローレス家の教育はどうなっているのか。ご自身の立場をわきまえない言動は公爵家の恥にもなりますよ」
無表情で話す女性は服装からみて公国の人で、カロリーヌ様と親しい関係おそらく専属侍女なんだろうな
自分の敬愛している主人に対しての言動に腹も立つんだろうけどね
「なにか間違ってますか?わたしの態度に気を悪くされたのでしょうけど、カロリーヌ様の態度を改めないあなたに恥がどうの言うことはできないと思います。
それとも公国では普通なのですか?」
「……なんとゆう言いがかり、これは殿下方へも報告させていただきます」
「どうぞご自由に」
「……失礼いたします」
苦虫を噛み潰したような表情で侍女の方も去って行き、残された三人娘達は「わ、わたくし達はあなたと関係ありませんから!」「そうよどうなろうと知らないわ」なんて捨て台詞を吐くから「まったく気にならないのでお帰りください」と追い返しといた
途中から居たこと忘れてたし
ふぅ、一人で来たのが間違ってたのか全然気晴らしができなかった
「それにしても、前に会った時に思ってたけどやっぱりカロリーヌ様はテオドール様が好きだからわたしが邪魔なんだろうな」
「まったく趣味がわるいですわよね。どこがいいのかしらあんなボンクラ」
「そんな言い方はぁぁぁ……いつから居たんですか?グレース様」
グレース様は頬に手を当ててため息一つつきながらもう片方で持ってる日傘を傾けて入れてくれた
優しい、日差しが遮られて少し楽になる
「アナベル様があの侍女に苦言を言われてるときですわ。ご自身で反論されてましたから余計な横やりをせず見守ってましたの」
全然気づかなかった
「災難でしたわね。……それにしても暑いですわ、サロンにいって冷たいものでも食べにご一緒しませんか?」
「いいんですか?」
「かまいませんわ、ほら行きましょう」
グレース様に押される感じで広場からサロンに行くことになった。絡まれたこともあったけど最終的においしいもの食べてなごみたい
「嫌いだわ、アナベル様。痛い目みればいいのよあんな子」
「カロリーヌ様……」




