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今際の乙女ゲーム  作者: 抹茶パフェ
第一章 幼少期編
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渡せなかったハンカチ③



「これは……キレイだね。大変でしたでしょう」

「そうでもないわ、3日ほどで仕上げれたもの。刺繍は得意だし苦でもなかったわ」



 目の前の様子に唖然としてしまう。

なんとか仕上げた私のハンカチとの出来映えが違いすぎて、しかも同じ日にハンカチを送られたら私の物を渡せそうにない。ポシェットを手で押さえながら無意識に後ろに下がってると、こちらに気づいた殿下が振り返り


「そういえば、アナベルも何か渡したいとか言ってなかった?」

「まぁ、そうなの?私もみてみたいわ!」

「あ、えぇっと、それは」


なぜ公女様もみたがるのか


「その、渡そうかと思ってましたが忘れてきたみたいなのでまた今度お渡しします」


「まぁ、残念ね」


だからなぜあなたが残念がるのか


「そう……、それはそうとアナベルは帰らなければならないだろ?送るよ」

「あら、だめよ。私テオに話したいこともあるんだから」

「それは後ででもよろしいでしょう。私は先に婚約者を送りたいのです。雨も降りそうですし」

「……なら、彼女を私の侍女が送るわ。これならいいでしょ?ね、そうしましょうよ」

「私とアナベルのことなのでお気遣いなく」

「でも!」


「あの、私一人で戻れますのでお二人ともお気遣いありがとうございました。失礼します」


二人が堂々巡り過ぎるのでこれ以上ここにもいたくないし挨拶を済ませた私は返事を待たずにそそくさと来た道を駆けてくと後ろからテオドール殿下に呼ばれた気がするけど振り返らなかった。




「はぁ……バカみたい」


ある程度進んでから振り返って誰もいないことを確認してから立ち止まって思い返すと苦手な刺繍を頑張って、王妃様の計らいでここにきたのに殿下は参加せず、やっと会えたら公女様から素晴らしいハンカチを渡される場面立ち会うなんて


ポシェットから出したプレゼントを見てると、ポツポツと雫が空から降ってどんどん濡れていきやがて雨が強くなってきた。


「道化でしかないじゃんわたし……バカじゃん」




「アナベル様!?」



 ふと、呼ばれて顔を上げれば突然抱き締められた。



「何してますの!?あぁ、雨ですっかり冷えてしまって、なかに戻りますわよ!」

「……グレース様?……どうしてまだここに?グレース様も濡れてしまいます」

「えぇ!わたくしも貴方もびしょ濡れよ!だから早く中に入って着替えて暖まりなさい!」


 問答無用で腕を引っ張ってくグレース様の剣幕に押されながらも客室の一つに入るとタオルを渡された。


グレース様もタオルで頭を侍女に拭いてもらいながら「念のために持って来ておいた服を出してちょうだい」と指示を出したり飲み物の用意をさせたりてきぱきとしている。


「あの、グレース様はなぜまだここに?」

「質問のまえに着替えなさい。そのままでは風邪を引いてしまいますわ」


貴方の着替えも用意してるからと、渡された服はたしかにサイズが会うと思うけどここでなぜわたしのサイズを知ってるのかとか、直ぐに用意できたのか疑問しか沸かないけどとりあえず着替えることにした



「庭園から戻ってる途中で貴方が居なくなってることにフェシーが気づきましたの。

どこかで迷ってるのかと探していたら雨に打たれてるんですもの驚きましたわ。何してましたの?」


 フェリシアンヌ様とケイレブも探すと言ってたらしいけど、王宮内を数人で闇雲に探すわけにもいかず、雨も降りだしそうだからグレース様が残り見つけたら後で知らせるとゆうことで帰ってもらったらしい。


着替えをお互いに済ませてソファーでだされたお茶を飲みながらかいつまんで教えてもらい、勝手な行動で他の人にも迷惑をかけたことにやるせなさが溢れてくる


「グレース様ご迷惑をかけて」

「それよりも何があったんですのアナベル様。これは先ほどあなたが落としたものだけど雨で濡れていたわ」


テーブルに置かれたラッピングされた袋は乾かされていたけど斑にシミができていた。

手に取って見るとなかは見てないけどシワになってると思う


「……もしかして、それはテオドール殿下へ渡す物ではなくて?殿下なら今なら」

「いいんです。グレース様」


遮るように言ってしまって失礼だけどこれについてはもういいの


「もういいとゆうのどうゆうことですの?やっと完成しましたのに渡さないのはなぜ」


「私が渡さなくてもテオドール殿下はすでにキレイなハンカチを貰いましたから」


だからいいんです。

これは自分で使えばいいのだから


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