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今際の乙女ゲーム  作者: 抹茶パフェ
第一章 幼少期編
21/39

剣聖は我が家の長女


 その日フローレス家の食堂の扉は爆発音並みの音と共に扉が開き肩が ビクついた。



「いま、戻ったぞ!フローレス家諸君!!」



「ル、ルイーズお姉様……おかえりなさい。遅かったですね」

「うぅん、アナベル?ホントに痩せて変わったな!うん、女の子らしくなった!」

「姉上、どうして貴方の扉を開ける音はそんな爆発音がするようになるんですか。そして何故扉は壊れないんだ……」

「相変わらず頭が固いなリアム。そんなんだと親父と同じく禿げる日が来るぞ!扉は頑丈に作られてるんだろうなハッハッハッ!」

「禿げるかっ」


 今日はルイーズお姉様が乗る馬車が昼間には到着するはずだったけど予定の時刻になってもそれらしき馬車が見えず、道が混んで遅れてるのだろうと思っていた。しかし、数時間たっても夕方になっても日が沈みはじめても来ない。

 待てども何の連絡もなく来る途中で何かあったのか?捜索に行くべきかと家族で話し合い、お父様と数人の男性使用人が出て行き先に食事をすませとくように言われて食堂に席を着けたのが今この瞬間。


 外は既に日が沈み夜になっている。先ほどお父様達が捜索に出たばかりたからどこかで合流かすれ違うとかあるはずだけどお父様達がここにいないのは何故?


「ルイーズ?貴女いつの間に屋敷についたの」

「おぉ!なにやら賑やかだと思えばルイーズ着いといたかっ。元気そうだな相変わらず。ハッハッハッ!」


騒ぎを聞きつけたのかお祖父様とお母様が遅れて食堂に来てルイーズお姉様がいることに気づきしかし、お父様達がいないことにお母様が首をかしげてるがお祖父様はきにした素振りを見せずリアムお兄様の背中を叩いてる。何故に?


「ルイーズ…貴女、髪をまた短くしたのね。せっかく延びてきてたのに……」


「髪が短い方に慣れてしまったからこの方が私は好きだな!」


「まぁ、貴女が気に入ってるならいいのかしら?」


 ルイーズお姉様はお母様と同じ金髪をサイドや襟足を刈り上げて、サイドパートで分けた長めの前髪を大きく斜めに流した髪型で濃いピンク色の瞳。

長身でおそらく170センチがあり俗にゆうとスレンダー。周囲や騎士団の同僚がルイーズお姉様のことを明眸皓歯(めいぼうこうし)で誰もが振り返る絶世の佳人だと、そう言われてるとお母様が前に言っていたけどお兄様は「姉上の見た目に騙されてるだけで誰もが本質に気づいてないだけです」心底疲れた顔をして否定していたのを思い出した。

 

 ちなみに、お祖父様も187センチあり70才になるのに余り衰えを感じさせない、お父様が185センチでガタイが良いし、お兄様は165センチとお姉様より低いけど意外に鍛えた体格をしている。

 そうなると160センチあるお母様が小柄に見えてくる。家の家系は長身系なんだろうか?私も将来そうなるのか?


「積もる話もあるだろうけど、腹も空いたし皆席について食事を始めないか?全員いるだろう」


「ルイーズお姉様、お父様がまだいません」


「親父はちょっと取り込み中だから遅くなるだろう」

何があったんですか?


 そんなことを考えてると廊下が騒がしく足音がしだいに近づいてくる。もしかしなくてもお父様達が帰って来た?


「ルイーズはいるか!?」

「意外と早いな親父殿戻ったのか?先に食事を始めようかと思っていたよ」

「先に始めるもなにもまずは説明しなさい!大体なんだその格好は」

「ん?おかしいかな、普段通りの格好だが」


首をかしげながら、どこか変か?アナベル。と聞かれたけどカジュアルに見えるが茶色のベストに白いシャツネクタイを着けて黒いズボンを履き腰には剣を下げていて長身のお姉様は見事着こなしてカッコいい。


「どこも変じゃありませんルイーズお姉様」

「だろ?」


「ハァァァ……」

お父様が頭を押さえて溜め息ついてる。なんか知りませんがあまり悩むと禿が拡がりますよ?



* * * * * * * * *



 食卓に座り料理が運ばれてきて遅めのディナーが始まったんだけど……。


「予定通りの時間に着きそうだったんだが、途中の峠で盗賊に襲われてる馬車がいてな。まぁ、盗賊は難なく捕縛できたからたいしたことじゃなかったんだ」


盗賊8人はルイーズお姉様があっさり片付けたが盗賊に襲われた馬車の中には子爵令嬢が居たらしくすっかり怯えて話すこともままならなかったらしい。

 ルイーズお姉様の従者が警備隊を連れてくるまで子爵令嬢の不安を取り除くため付きっきりで寄り添いその後警備隊が到着したあとも事情説明や捕縛した盗賊の引き渡しその後子爵令嬢を屋敷まで送り届けるなどをした。

 もう安全だからさぁ、帰ろうとお姉様達が屋敷を出る際ひと悶着が起きた。

なんと、ルイーズお姉様に子爵令嬢が結婚を前提に交際を持ち掛けられたらしい


「いや~まさか令嬢に求婚されるとは思ってもいなかった!」


ハハッと笑ってるけど、笑い事ではないですよ?


 ルイーズお姉様は女性で何よりすでに結婚しています。この世界では女性からの求婚は結婚にがめつくはしたないと余り良い印象を与えない。下手したら社交界の笑い者にされかねないのに子爵令嬢は求婚したのはそれでもお姉様とお付き合いしたいからでしょう。


……まぁ、あと子爵令嬢がルイーズお姉様を男性だと勘違いしてしまったから求婚したんでしょうけど。

 危機的状況からタイミングよく助けてもらいそのあとも自身に親身に接して屋敷まで送り届けてもらったら吊り橋効果だろうが恋愛小説じみてようが相手に好感度を持っても不思議じゃない。


しかも、ルイーズお姉様のお顔は女性らしいけど格好が男性用の服装と胸もコルセットで押さえてるから男性に間違えられることは度々あるんだよねぇ……。


女性ファンクラブは男性のそれよりも多いと聞くし、社交界のパーティーではドレスを着るけどフリルの付いたドレスではなく体のラインがでるマーメイドドレスをよく着こなし普段は男性に間違えられるお姉様は社交界では魅惑の華とまで言われ女性から男性まで虜にするとかしないとか。



「いくら私が女だと言っても信じてくれなくて仕方ないから胸を見せたら女だと流石に理解するだろうと見せたら倒れられて、困ってたら親父が来たからあとは任せた」


「……警備隊から話を聞いて子爵邸に出向けば娘が上半身をさらけ出して令嬢が倒れてるのを見せられた親の気持ちがわかるか?」


 お姉様を探しに出たばかりのお父様はすぐに警備隊からことの顛末を聞きルイーズお姉様が送った子爵邸へ行けば半裸の娘がいた。

父に与えた衝撃も強いだろうけど淡い恋心が秒殺で砕け散った子爵令嬢の心情もこれいかに。


「子爵と夫人には事情を説明して納得してもらったしお前にも感謝していると伝えるよう言われてたが……結婚をし少しは慎みを学んだかと思っていたんだがなぁ」


「まぁまぁ貴方、ルイーズは人助けをしたのですからあまり責めないでください。ルイーズも人様の家で同性といえど肌を気軽に見せるんじゃありません」


「うん。恐らく今後はないでしょうから安心してください母上」


「……あまり期待できないんですが」


「リアムお前もそうおもうだろう。また同じことが起きる予感しかない」


「アナベル、これはお前の好きそうな味だぞ」


「本当ですね!お祖父様あっこのサラダのドレッシング蜜柑の味がします」



一家が揃ってとる食事は賑やかにすぎ夜は過ぎていった。



* * * * * *



 チュンチュンっ

 鳥の囀ずりに眠りの縁から意識を起こされ、時計をみればいつもより早く起きれたことに気づいて二度寝する気になれなかったから屋敷の周りを散歩中。



 天気も良いし夏が来たって感じだなぁ、緑がきれいだし風も今日は吹いて気持ちいい…。

犬とか連れて散歩するのもありだけど生憎ペットは飼っていない。今度お母様に相談してみようかな。ふ~んふんふん♪ん?あれは


「ルイーズお姉様!」

「アナベル?珍しく早起きだな。おはよう」


庭でお姉様が剣で素振りの稽古をしていたみたいでうっすら額から汗が流れ落ちている。


「朝から稽古ですか?休みなのにお疲れ様です」


「普段から鍛えとかないとかないと鈍るからな。アナベルも護身術として教えようか?いざってとき役にたつさ」


いっいざって時なんか来てほしくないなぁ。苦笑いで笑って返すとお姉様も気が向いたら言えば教えるぞって笑った。

そうだ、あのプレゼント今渡せばいいか!部屋に取りに行こうと振り替えったらミモザがプレゼントを持って待機していた。いつの間にいたの……?


「普段寝過ごすお嬢様と朝早くから素振りなさるルイーズ様が見えましたので差し出がましいですがこちらをお持ちしました」


「おぅ、さすがミモザ」


ミモザからプレゼントを受け取りルイーズお姉様に向き直ったら腕立て伏せふせをやっていた。……ちょっとでも筋トレしたいのね


「お姉様、今良いですか?渡したいものがあるんです」

「ん?渡したいものってなんだい?」


お姉様が筋トレを中断し掛けていたタオルを手に取りプレゼントの箱を開けて蝶のブローチをとりだして光にかざした。


「綺麗じゃないか!蝶のブローチかうん。気に入ったありがとアナベル」

「喜んでくださって嬉しいです」

「うん。騎士団の服には付けれないが普段着には大事につけるよ」


ふふ、気に入ってもらえたなら良かった。


 そうこうするうちに、スミレに朝食の用意ができたから食堂へ行くように呼ばれたのでお姉様達と一緒に向かうとすでにお父様とお母様、お祖父様とお兄様が席についてお父様が難しい顔をしていた。

 私に気づいたお父様が手に持っていた手紙を私に渡してきた。


「今朝早くに家に届いたお前宛の招待状だ」


「え、私にですか?」

自慢じゃないが招待状をくれる相手なんかいないけど誰がくれたんだろ?


『アナベル・フローレス様


急なお手紙をだし困惑されてるでしょうが、以前話した我が家のお茶会に是非来ていただけると嬉しいです。我が家の薔薇の花園も見頃ですし一度アナベル様と話してみたいと思っております。お返事お待ちしております。


グレース・フォスター』



グレース様から!?お茶会って……前にあった時のあの話は社交辞令じゃなかったんだ。


「フォスター家からのお茶会の招待ってアナベル、グレース嬢と親しかったのか?」


「いぇ、親しいとゆうか以前街に散策に行ったときに会話したくらいですが、たしかお茶会の誘いは受けましたがまさか本当に誘われるなんて……」


「あぁ、あの令嬢達がお前に絡んできた時かミモザから聞いてたがフォスター家の令嬢だ対応したらしいな」


お兄様が思い出すよう言ったのは前に街中での出来事であった令嬢柄身だろう

 けど、グレース様とはそれっきりだしテオドール殿下の婚約者内定を潰したフローレス家(うち)をフォスター家がよく思ってはないだろうし……でもグレース様はなんか婚約がなくなって喜んでるみたいだったけど


「わざわざ招待して話したいんだから行ったら良いんじゃないか?」

「お、お姉様?ですがわたしは」

「グレース嬢がアナベルに会いたいと言うなんて何のようか分からないんですよ姉上」

「わからないなら尚話さなきゃいけないだろ。聴いた限りグレース嬢は別にアナベルに危害を加えるつもりはないと思う。あとはアナベルと親父次第だな」


 手紙には四日後と書かれていた。正直グレース様とどう話せばいいか分からないけど聞きたいことがあるから私はお茶会に参加することを両親に伝えた。


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