理解できない婚約者①
しばらく長いです…
初めて会ったとき思ったのは---。
ガラガラと音をたてながら進む馬車の中で私は緊張とワクワク感で落ち着きなく髪の毛先を指で遊ばせていた。
今日はお祖父様が爵位をお父様に引き継ぐ報告をお城にいる王様にするため謁見を申し入れをするときいて私も行きたい!と玄関ホールで駄々をこねてお祖父様に一緒につれてきてもらった。お城に行けると最初はワクワク感で楽しみだったけどお城に近づいてくると緊張で心臓がバクバクいってる。正直来なければ良かったと思うけど、無理を言って連れてきてもらったから今さら帰りたいとも言えない。
お父様とお祖父様が王様との段取りを確認し話してるけど私にはちんぷんかんぷん。つまらないなぁ……。足をブラブラさせながら馬車の窓から流れる街中を見てると城門が近づいてくるのが見えた。
「……アナベル。いいかお前が来たいと言うから連れてきたが間違っても城内で問題をおこすんじゃないぞ。」
「……はい、お父様わかっておりますわ」
お父様が私が一緒に来ることをよく思ってないのは知ってる。優秀なお兄様ならまだしも引き込もってワガママばかり言う私がお城で騒ぎを起こしたらお父様に迷惑がかかるってわかってる。
ギュッとワンピースの裾を握った。ソッと暖かい手が頭を撫でてくれた。隣り座るお祖父様を見上げると優しい顔で私を見つめていた
「陛下は優しい方だ。陛下に挨拶がすんだらアナベルお前は控え室で待ってなさい。なに、すぐに謁見を終えて帰るから緊張することはないよ。」
「父上、すぐアナベルを甘やかすのはやめてください」
甘やかしてなどいないさ、それよりー、お祖父様は私の緊張をほぐそうとしてくれたんだろうけど王様に少しでも会うと思うとかえって緊張が強まったよ……。
「国王陛下のおこしです」
お城についてそんなにまたされることなく大広間に案内された。真っ赤な絨毯が扉から階段の上の壇上にある立派な玉座に続いておりその隣に白髪混じりの老紳士が声を張り上げると壁側に立っていた騎士達が姿勢を更に正していく
壇上の椅子の前に王様がくるとお父様とお祖父様が床に方膝をついて頭を下げるのをみて私も慌てて膝を折り頭を下げた。
「頭をあげよ。フローレス公爵よく来てくれた」
広間に王様の声が響きお父様達と同じく頭を上げて王様を見上げると銀髪の紫眼
した方がいた。お年のせいか目元にシワが少しあるけど品のある雰囲気がある気がする。
「爵位を息子に引き継がせると聞いていたが……そこにいるのは孫娘か?」
ビクッと不敬だけど体が震えてしまった。
「はい、陛下本日は孫娘のアナベルも共に挨拶につれて参りました。」
「ほぅ、ついこないだ生まれたような気がしたが時の流れは速いな。ルーカスとテオドールもでかくなったが今幾つになった?」
お父様に肩を軽く叩かれ慌てて淑女の礼をとり「こここのたび、4歳の年をむかえまました。アナベル・フローレスですっ」と練習通り挨拶をしたが噛みまくってしまい顔が真っ赤になった。
「そうか、アナベル嬢よく来てくれた。なかなか可愛らしい孫娘だなフローレス」
王様は目尻を下げて噛んだことには触れずに優しく声をかけてくれたが、挨拶を失敗したのは分かるしお父様が苦い顔をしているのをみて今度は顔が青くなるのを感じた
その後はお祖父様達と話があるから私は控え室で待つように言われ退室した。控え室までは護衛の騎士が案内してくれたので迷わずにこれてホッとした。
案内された控え室は白い壁紙に花柄がついていて可愛らしいけど今は緊張と失敗したことに関してすごく体が震えて落ち着かない。
(お父様……苦い顔をされてた…。私が満足に挨拶もできないから呆れたんだわ)
さっきのことを思い出すと目が熱くなって泣きたくないのに涙が止めどなく流れてくる。また、失敗した。今度は失敗しないように練習したのに人から見られてると満足に話せなくなる。くやしい。
しかも今さら緊張でお腹が痛くなりお手洗いに行きたくなったから一人で行くと迷子になって更に泣いてしまう。
案内された控え室は一階でお手洗いもそんなに離れていなかった。部屋からでてすぐに場所がわかるところにあるから行けたのに控え室に戻る最中で迷ったなんで?
歩いてれば誰かに会えると思ってたけど何故か全然誰にも会えない。城内で会えないなら外に出る過程でさすがに誰かいるよねって思って窓から中庭を通りすぎ歩き回るとすでに夕方になってきた。
「……どうしよう。もうどこにいるのか分からないよぅ……おとうさまぁおじぃさまぁ」
歩きすぎて足が疲れたし泣きすぎて声も枯れてきた。何で誰にも会えないの?お父様達においてかれた?悪い子だから?
永遠と歩き続けてくと紅葉や楓の木に囲まれた池を見つけた。もう疲れたから紅葉の木の根元に座り込み池で泳ぐ鴨の親子をぼんやり見てる。親鴨が子鴨と仲良く姿にさえ今は羨ましく思う……。
ふと、紅葉の木を見上げてこの上に登れば人を見つけれるんじゃないかと思った。結構な高さがる紅葉の木を4歳が登るのは危険だがこのときのアナベルは必死すぎて冷静ではなかった。
アナベルが誰にも会えないのは、見つかったら怒られると無意識に思って人を探してるのに気配を感じると誰もいない方向に行ってたからです。
本人自覚なし。黙ってそこにいたらすぐ女官たちに見つけてもらい助かりましたがじっとできない子アナベルです




