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第1話  姫騎士見習いの心得

 


「アイシャ!訓練をサボってなにをやっている!」

「はい!教官殿!お肌のお手入れをしておりました!」


「今は模擬戦闘の時間だが?なぜサボっているのかと聞いている」

「はい!教官殿!万一お肌に傷がついたらお嫁さんに行けなくなってしまうからです!」



「アイシャ……この国でとつぐなど無理だ」



 教官殿はまたあたしに100回以上にも及ぶ説明してくれた。ナオニ王国は数百年前から男子出生率が0.01%以下になってしまっている。


 当然男子が産まれれば国を挙げて祭りとなりとても大事に育てられる。働かず、戦争など行かずにさしずめ神の子さながら。


 国を守るのは女の仕事。外の国では男が国を守っているとの噂があるがにわかに信じがたい。しかし藁をもすがる気持ちであたしは、


「教官殿!あたしは他国の男性と結婚します!そのためにも可愛さを磨かなくてはなりません!」


「バカ!声が大きい!お前は男を知らんだろうが男は獣だ!女を見ると見境なく襲ってくる!お前はそれを知らないネンネちゃんだからそんな事を言えるんだ!」



 男を知らないだと〜?当たり前だ!こちとら男なんて男根祭の時に遠目からしか見たことないよ!しかも生後半年の赤ん坊!



「教官殿はいいですよね〜。戦争捕虜になって救出される間、男に色々されたんでしょう?」

「ん……ま、まぁな。こんな傷だらけで筋肉質な女性でも他国では需要があるかと思うと……ってなにを言わせるんだ!」


 クソッ!ノロケめ!閉じろ!教官殿の膜閉じちゃえ!


 あたしが教官殿といつもの雑談に興じていると甲冑に身を包んだ女性兵が慌てた様子が駆け込んできた。



「教官!行方不明になっていたミサを発見しました」

「その割に顔色が良くないな。まさか!?」



「はい。教官もお忙しい身ですが心のケアをお願い出来ないかと思い」

「了解した!いい機会だ!アイシャお前も来い!」

「りょりょりょ了解であります!」


 なんだろう?いい機会だから男と会わせてくれるのかな?



『アイシャ、いい機会だから他国の王子と結婚して子作りに励んでみろ』

 教官殿はコネが凄いからこんなところかな?ヌフフ。おっとっとヨダレが落ちゃう。みっともないみっともない。




 ……

 ………



 そこには毛布を掛けられた女性兵。目に光は灯っていない。ブツブツと浮言を呟いている。


「教官殿……まさか」

「そのまさかだ。野外訓練中に行方不明になっていたが発見した時には……クソッ!私が見ておけばこんな事には」


「誰?誰がやったんですか?」

「報告書によると辺りの野盗だろう。発見されるまでの1週間は……」



 マジ?ちょっと野外演習で行方不明になっただけで……こんな……こんな!


「ねぇ貴女に聞きたいんだけど」

 野盗に慰み者にされたであろう女性は返事をせずに力なく顔をあげた。



「き、き、き気持ちよかった?」

「……は?」



 真後ろから飛んできた平手打ち。

 うーん。これは避けたらもっと手痛い1発がくるパターン。まともに喰らってもやだから、少しだけ衝撃をずらそう。


 パァァァン!と快音を鳴らしてあたしのホッペちゃんがみるみる赤く腫れあがる。


 うん。軽くいなしたぐらいだとやっぱり痛い。



「アイシャ!貴様はなにを言っている!?場を弁えろ!」


「だってあたしは知りたいんですよ!あたしは世界の謎を解き明かしたいんです!目の前にある知識の泉を汲み上げることが罪なのでしょうか!?ならばあたしは神すらも問い殺す!」

「意味がわからん言葉をもっともらしく言うな!」



「う、うぅ〜……うわーん!教官殿のビッチー!」

「おい待て!意味も把握せずにそんな言葉を使うな!」




 悔しい!ここにいる女性兵も教官殿もあたしより一歩前へ進んでいる。内心ではあたしのことを馬鹿にしているんだ!



 あたしは早く大人の女になりたいだけなのに!

 なにが姫騎士見習いだ!そんなものになってしまったら絶対男と接する機会なんてこない。



「……よし!野盗を探そう!み、みミサちゃん?の仇打ちだから大目に見てくれそうな気がする」



 門番の制止を振り切る。



 目を閉じればミサちゃんとの思い出が捏造(よみがえ)る。


 優しくてちょっと気弱なミサちゃん。

『私死んでませんよ?』


 いつも周りの心配をしていたミサちゃん

『貴女とは初対面ですよね?』


 



「野盗め〜許せん!あたしにも同じ目に合わせてみろー!」



 あー楽しみだ!楽しみだ!男根祭ぐらい楽しみだ。会えるかな〜?見ただけで男の人ってわかるのかな〜?



 やっぱり下で確認するしかないのかな?ヌフフ。ひん剥いてやる〜。



 ヨダレを乱暴に拭いながらあたしは街の外へと駆け出した。




おまけ アイシャ


「初めて読んでくれた読者様ありがとうございます!この物語はあたしことアイシャがモテモテになっちゃうサクセスストーリーなのですよ!


ひっそりと続けてちゃんと終われるようにしたいと思います。


 稚拙な文章ですがよろしくお願いします」



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