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我竜転生  作者: 原案:白山菊理 編集:なた
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ドラゴン登場

数十年の時が経った。

地獄の様な赤い空は見る影もない。

大地も海も生命の源としての営みを始め、木々や草花は元の姿を取り戻していた。


恐竜が大地を制していた頃から、海中に自身の楽園を築く王者がいた。

モササウルスだ。

恐竜とは別の祖を持つが、恐竜と変わらぬ巨躯で、海を自由に泳ぎ回る。

恐竜ですらが彼らを襲うことはなかった。


そんな海の王者がゆっくりと獲物を探して泳いでいる。

陽の光は水面をキラキラと輝かせ、

大空では翼竜の後に台頭した鳥達の鳴き声が響く。

鬱蒼と茂った森林には日々新たな命が育まれ、

天敵を失った木々が実りを貯える。


恐竜のいない世界の日常だ。


だが、急に日常は切り裂かれる。

森が騒めき始め、木々が音を立てて薙ぎ倒された。

水面は闇に飲まれて輝きを失い、鳥達は狂った様に悲鳴をあげて離散する。

太陽をも隠す大きな影は、目にも留まらぬ疾さで海へ急降下し、

海の王者を掴んで、森へと飛び去った。


モササウルスの体長はおよそ18m、体重は30tもある。

それを軽々と運ぶ大きな影は、森の奥のさらに谷の底へと降り立った。


谷底に光が射し込む。

大きな影の全貌が見えてくる。


全身は鎧を想わせる硬い鱗で覆われ、

獲物をいとも簡単に引き裂く鋭い爪は紅く汚れている。

長くて太い尾を振り回すと、岩肌が削れた。

一見すると、かつての覇者を思い起こす。

しかし、その膂には鳥とは違う力強く張った皮膜の翼があった。


まさに異形である。


異形は獲物を地面に静かに置くと、瀕死のそれに向かって地響きの如き声を轟かせる。

そして、息を大きく吸い込むと、陽炎と共に灼熱の炎を吐き出した。


海の王者は、生まれた場所を遠く離れ、

大地で焼き尽くされた。


異形は海の王者だったモノを貪り、骨も残さずに平らげた。


その異形こそがドラゴン。

大地だけでなく、全ての覇者である。


ドラゴンは空に向かって咆哮を放った。

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