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朝方、機内から窓の外を眺めた。
まだ真夜中だったのもあり、星がよく見えた。
私は、その美しさに唖然とした。
とにかく、すごかった。
プラネタリウムよりもたくさんの星たちが輝いているかもしれない、と思うくらい。
あるいは、夢の国の宇宙を駆け巡るアトラクションをそのまま再現したかと思うくらい。
家を出てから約12時間が過ぎ、初めて前向きな感想を持った体験だった。
嫌々ながらも皆に置いてきぼりにされるのは困るので、真面目に指示にしたがう。
不安で仕方がなかった申告なども問題なく、私は無事、オーストラリアに入国した。
まずは一日目ということで、様子見のように感じる部分が多かった。スーパーやミニ観光スポットの丘のようなところなどを見て、昼食にはフィッシュ&チップスを食べた。
午後になり、語学研修らしい活動が始まると、少し怖くなった。
ここまで来たが、やはり不安や恐怖は消えていなかった。
そんな心境のなかで、ホストファミリーと対面。
待ち合わせ場所に迎えに来てくれたのは、ホストマザーだった。
ホームステイ先である家に行く前に買い物などをしたのだが、彼女は私たちの好みをよく聞いてくれた。
とても優しい人だと思った。
加えて、彼女は娘や息子の好きなものを紹介してくれた。
私の母は、きっと私の好きなものなんて覚えていないだろうに。
そう考えると、少し羨ましいなと思う自分がいた。
家について、数十分前に聞いた、中国人の留学生がホームステイしているという情報を思い出した。
しかし、彼女と会うことはほとんどなかった。
家では、特に変わったことはなかった。
ご飯を食べて、お風呂にはいって。
合間に少しだけおしゃべりもできた。
しかし、英語力が足りないのもあり、つまづいてしまったのも事実。
でもまあ、なんやかんやあって、夜になってしまい。
これから先、ちゃんとやっていけるだろうか。
私は不安な気持ちのまま眠った。