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1.平和だった日曜日の朝

続きが書けてもいないのに、今週の戦隊大集合SPの予告に忍者ホワイトを見かけてUPしたくなりました。イチ押しはアバレブルーだけど出ないだろうなぁ……

───事件はその日起きた。




『逃げろみんなあっっ───!!』


 DoGAaaa─────N!!!

『『『『『うわあぁぁっっっ』』』』』


 大きな爆発音と伴に五色の噴煙が舞い、それと同じ色彩の五人の戦士が敵と自分達しか居ない採掘場でダイナミックに吹き飛ばされ、地面に倒れた。


『無様だことスカイジャー!!』


 彼らが痛みにもがく様を見て、厳つい金銀装飾の付いた黒革マントを羽織った鳥型怪人が、ガチャガチャと金属音を立てながら鼻に掛かったおっさん声で耳障りな高笑いをしていた。


『オーホホホホホッ!!!このジャマトリー様を倒そうだなんて、考える事すら百億年早くってよ!

さっさとお行きなさい、バッドフライヤー共!スカイジャーをやってお仕舞いっ!!』

 


 鳥怪人が指令を発すると、バッドフライヤーと呼ばれる蝙蝠やカラスの羽を生やした下層兵達が奇声を上げてながらスカイジャーに四方八方から襲いかかる。

 敵幹部ジャマトリーからの強力な攻撃により変身が解け、五色の戦士達の身体はボロボロで既に立ち上がる事すらやっとの状態だった。


 大群の敵が間近に迫り、「もう駄目か……と誰もが思った」…と物語ならば大体記述されるであろう場面のその時。


『まだだ……俺は、俺達はまだ負けやしないッ』


Dooooo─────N!!!


 だだっ広い採掘場に轟音が響き渡り、赤い爆煙に大地が覆われる。


『んもうっ!ヤダッ何なのようっ!!』


 気付けば鳥怪人ジャマトリーのみを残し、一瞬にしてバットフライヤー達がスカイジャーの周囲から消え去っていた。

 身体をくねらせて動揺するジャマトリーを余所に、僅かに薄れた煙の中から赤い闘気を身に纏い、まるでモンゴル相撲で行う鷹の舞に似た動きをするレッドが現れた。


『お前なんかにッ……、お前らなんかに俺達の地球を奪わせやしないっっ』


『『『『レッド!!』』』』


 不死鳥の如く立ち上がったレッドに呼応し、仲間の戦士達の戦意が再燃した。


『戯れ言を!そうして無様に地を這うだけの天の使者に何ができるっていうのよォ!!』


『天の使者だからこそ天に祈り、天に正義を誓うんだ!!』


 レッドが拳を高く突き上げると、その拳から迸る可視化した深紅の闘気が天空を貫いた。


『天よッ!俺達の愛する空を護る力を貸してくれッ!!!』


 祈る思いが天に届き、まるで祝福するかの如き黄金の光が戦士たちへと降り注ぐ。


『これは…!伝説のペガサス・ディスク……!!

 いくぜ皆っ!一気に決めるぜ!!』


『『『『おう!!』』』』


『で、伝説のディスクが何だというのよ!!

アタシはアンタ達を倒してジャアク天教主様の第4夫人にして頂くんだから!!!』


 覚醒したレッドがジャマトリーを無視し、少し長めの再変身バンクで天から授けられた新しい伝説の装備を身に付け、画面の向こう側で白熱したバトルが繰り広げられていった───────



 ──────一方画面の此方側では、スカイジャー達の熱戦を観て興奮した少年が叫んでいた。


「ひょっほー!!いけっ、そこだレッド!

 ジャマトリーが分裂する前に殺っちまえっ」


 それはいつもの日曜日。

 太平洋に浮かぶ『平和と安心、安い水』を自国の売り文句にしている大和(やまと)国。

 その北部地方の大地主阿濁(あごり)さん家お茶の間で、法律的には少年ではあるけれど『よい子のお友達』と呼べる程は幼くない美少年が1人。


「あぁ、俺が一緒に戦えたらジャマトリーを″八墓ツイスト″で地面にめり込ましてやるのに!!」


 歴史ある大地主の邸宅に不釣り合いな小汚い鞄を背負ったまま、ヒーローとのお約束を守らずテレビの前で拳を振り回して赤い戦士を応援していた。

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