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カクテルライト
歪んだEコードを
かき鳴らす残像に
掲げたその両手を
振り回す残像に
僕はなりたかった
駆り立てる衝動に
俯いたその顔を
引き上げる衝動に
あのカクテルみたいなライトが踊る
照らされるにはまだ早いのだろう
切れかけた蛍光灯が眠る
あの部屋が僕にはまだお似合いなのだろう
切り取られたこの瞬間を
見返しても同じ感情が湧かない
温度 耳鳴り 煙草の匂い
立ち会わなければ出会えないもの
不揃いな手拍子 加速する手拍子
踊りだすビート 鳴り止まないビート
ここにしかないものが生まれるんだ
それこそが衝動の正体であるのだと
知らないままでいられるような僕じゃない
歪んだEコードを
かき鳴らす残像に
僕は掻きたてられて
衝動のまま鳴らした
あのカクテルみたいなライトが踊る
照らされるにはまだ早いのだろう
切れかけた蛍光灯が眠る
あの部屋が僕にはまだお似合いなのだろう