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7話

アルビオン王国上空

アルビオン王国の空は雲に覆われていた。

その雲の中を数十騎の竜騎士が進んで行く。竜騎士の指揮官は幸運だったと思った。アルビオン王国に侵入した夜から今まで厚い雲が自分たちを隠してくれていたのだった。雲の中に居ては目的地に迷わず辿り着けるかが問題だったが目的地は薄くなった雲の向こうに見えていた。

学院

ライト

「お前は何試合目だ?」

カグヤ

「かなり後ろの方だ。お前は?」

ライト

「前の方。そろそろ試合だ。」

学院では試合が次々に行われていた。かなりの人数なので同時に何試合も行われている。

ライト

「そろそろ行くか」

カグヤ

「がんばれよ」

ライト

「……応援に来るとかは思わないのか?」

カグヤ

「忙しい」

ライト

「そんな訳ないだろ…。

まあいいや。」

ライトは試合の場所に歩いていく

いつの間にかカグヤは居なくなっていた



試合会場

試合会場には大量の生徒が居た。観戦席は座る所がない程ではないがほとんど埋まっていた。

アリシア

「あっ、ライトだ」

ライト

「よう、試合はどうだ?」

サヤ

「同学年には敵はいませんわ」

ライト

「まあそうだろうな」

アリシア

「二人共強気だね」

ライト

「同学年で俺達に敵う奴はいないだろう」

サヤ

「そうですわ」

アリシア

「カグヤは一緒じゃないの?」

ライト

「何処かに行ったよ。応援もしないなんて冷たい奴だ」

サヤ

「なら、さっさとあれから離れなさい」

ライト

「じゃあ俺試合が近いから。応援してくれよ」

サヤ

「逃げましたわ」

アリシア

「逃げたね」



審判

「次の試合を始める。両者前へ」

ライトと男子の二人が前に出る

ライト

「ようやく出番か」

審判

「ルールはわかっているな。わかっているな。戦闘不能の相手に攻撃するのは禁止だ。

それと私の指示には従ってもらう。

では始めろ」


ライトは開始と同時に剣を抜き前に走り出す


相手はいきなり飛び込んでくるとは思わず動揺した


男子

「風のマナよ 集いて敵を……」

魔法の矢で迎撃しようとするが既に間に合わない所まで来ていた


なんとか剣を抜くが剣を弾き落とされる


審判

「そこまで」


ライト

「まあこんなものかな」



審判

「次の試合を……」

サヤは正直面倒だった

実力差が有りすぎる試合だからだ

サヤ

「棄権すれば良いものを」

審判

「では始めろ」


相手の男子はすぐに剣を抜き詠唱を始める


サヤ

「炎の壁」


詠唱を破棄して火の魔法を放つ


炎の壁は相手の男子を包み込んだ


審判

「そこまで。

魔法を消しなさい」


サヤは炎の壁を消し礼をして去っていった



アリシア

「やっぱり二人共強いね」サヤ

「相手が弱いだけですわ」

ライト

「そうだな

それよりそろそろアリシアの試合じゃないのか?」

アリシア

「そうだった

じゃあ行ってくるね」



審判

「本当にそれを使うのか?」

アリシア

「そうですけど何か?」

審判

「いや、規定には違反していないから良いが……」

アリシア

「じゃあ始めましょう」

審判

「そうだな

では始めなさい」


アリシアは小さな盾を持っていた

一般の盾は安価な木製が主流で鉄製は少なかった

アリシアの持っている盾はどちらでもなかった


ライト

「……あれってオンディーヌの盾だよな」

サヤ

「そうですわね」

ライト

「学院の大会に持ち出していいものなのか?」

サヤ

「規定では武器は刃引きしたものならなんでもいい。盾は何も決まってはいませんしいいのではなくて」

ライト

「規定で良くてもあんなもの持ち出しすとはな

そんなに勝ちたいんだろうか?」


アリシアの持っている盾はオンディーヌの盾と呼ばれていた

水の精霊の加護を受けた盾であると云われ、稀少な魔法鉱石と優れた魔法で作られている


アリシア

「行きます」

アリシアは盾を体の前面に構えて相手に突進する


アンディーンの盾は小さくアリシアの体の全てを覆えてはいなかった


相手は盾の届かない所に魔法の矢を放つ


ブゥゥゥゥゥン


盾の周りに水の魔力シールドが展開される


ビシィィィィ


魔法の矢は魔力シールドに弾かれる


アリシアはそのまま突進し体当たりをする


審判

「そこまでだ」


審判は体当たりが当たる前に試合を終わらせる



アリシア

「勝ったよー」

ライト

「お前それどうしたんだ?」

アリシア

「家から持ってきたんだよ。

それがどうかしたの?」

サヤ

「勝手に持ち出して良いんですの?」

アリシア

「お父様がいつも持ち歩くようにって」

ライト

「過保護だからな〜」

サヤ

「家に飾って置くのは少し勿体無い気がしますものね」

アリシア

「使わないと損だと思うよ」

ライト

「これはアリシアの優勝だな」

サヤ

「そう簡単にはいきませんわ」

アリシア

「すぐに負けちゃうよ」


三人が話していると周りが騒がしくなった


ライト

「一体なんだ?」


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