3話
魔法学院学院長室
先生
「フリューゲルは二度召喚に失敗しました。」
学院長
「……そうか。君には大変だろうが面倒をみてやってくれ」
先生
「しかし、魔法も使えない精霊召喚も失敗した。そんな生徒を進級させてよかったんですか?」
学院長
「名門、それもギルドマスターの家の者を無下にはできんよ……。」
先生
「それもわかりますが………」
学院長
「ともかく彼の事は頼むぞ」………
………
先生
「精霊は召喚する者の力に反応して召喚される。同じ精霊はいないし過去どの時代にも存在しない。召喚された時に存在が生まれるという事だ。召喚した者が死んでしまったり、深い傷を負った時、精霊自身が深い傷を負った時、精霊は消えてしまう。そうなれば精霊は二度と呼び出せない。中には精霊の力だけで生きている精霊もいるが滅多にいない。」
先生が授業を続ける
先生
「精霊の力を借りれば魔法が上手く使えたり、武器に力を付与する事もできる。魔法でも武器に力を付与できるが制御が難しいからな。戦闘において精霊を上手く使う事が重要だ。戦闘だけでなく精霊は一生のパートナーだから大切にするように。」
終業の鐘が鳴る
先生
「次の授業は一週間後に迫った学年での武芸大会にむけての練習だ。校庭に遅れないように来るように。」アリシア
「武芸大会かぁ。ちょっと怖いね。」
サヤ
「あなたぐらい強ければそう簡単に負けないでしょう?」
アリシア
「私なんか全然弱いよ」
サヤ
「よく言いますわ。まあ戦ってみればわかりますわ」
アリシア
「後一週間がんばろうね」
サヤ
「敗北は許されませんわ」
校庭に行く二人
ライト
「ずいぶん張り切ってるな。まあ負けるつもりはオレもないんだがな。」
カグヤ
「死なない程度にな」ライト
「お前の方が心配だ。魔法がな……」
カグヤ
「さっさと行くぞ。」
ライト
「ああ。」
………
………
校庭
先生
「皆揃ったな。一週間後の学年での武芸大会について説明するぞ。練習では学院で用意した殺傷能力の低くした武器で戦ってもらう。もちろん魔法も軽めにやれ。だが武芸大会本番ではギルドから実戦経験豊富な人達が審判として来てくれるから自分で用意した武器を使ってもいい。魔法も全力でやっていい。怪我はもちろん死ぬかもしれないから棄権するのもいい。相手の実力と自分の実力がわかるのも大切だ。説明はこれまでだ。各自練習を始めていいぞ。加減は間違うなよ。」
先生の話が終わると皆は武器を取りに行った。
………
………
ライト
「風のマナよ集いて敵を射て 魔法の矢 一矢」
「うわー」
クラスの男子とライトの練習試合。
ライト
「やっぱり試合はいいな」
男子
「やられる身にもなってほしいよ」
ライト
「わるいわるい。そういえばずいぶん数が少ないな。」
男子
「皆手の内は見せたくないんじゃないかな。」
ライト
「なるほどな」
男子
「ライトは武芸大会どこまでいけると思う?」
ライト
「まあ上級生もいるしな。できるだけ勝ちたいけどどうだろう。」
男子
「毎年武芸大会には偉い見物客が来るからね。上級生は結果を残していい進路を狙ってるからね」
ライト
「オレ達もがんばらないとな。」
武芸大会にむけて練習をする者
サヤ
「今さらどうなるものでもありませんわ。いつもの力を出せば勝てますわ。」
余裕がある者
アリシア
「大丈夫かな?怪我しないといいんだけど」
心配する者
カグヤ
「…………」
寝ている者
武芸大会に思いを馳せる者達。どのような結果が彼らを待つのだろうか……