8話
来賓席
リア
「カグヤの試合はまだなのですか?」
リーシャ
「かなり後ろのようですね。」
二人が話しているとクリスが二人の後ろの方にいるミーシャに何かを耳打ちした
ミーシャ
「北北東から竜騎士と思われる飛行物体が接近。
数七十、会敵まで約九分。殿下、避難を。」
ミーシャは敵が学院に接近していると言った
近衛騎士
「ここまで接近されるまで気付かなかったのか!」
近衛騎士の一人が怒鳴る様に言った
他の近衛騎士も声には出さないが同じ様に思っていた
ミーシャ
「恐らく雲の中を進んできたと思われます」
ミーシャは淡々と言う。騎士達はそんな態度に更に口を開こうとするが、
リア
「今はそんなことを言っている時ではありません
一刻も早く学院の生徒を避難させなさい」
学院長
「い、今すぐ行います」
学院長は突然の事に混乱しつつも生徒を避難させる様に教員に指示を出しに行く
王女の言葉に騎士団も黙り込んだ
ミーシャ
「我が小隊は迎撃に出ます。殿下も避難してください」
リア
「残りたいですが足手纏いになりますわね……
わかりました」
そう言ってリアは近衛騎士と共に席を立って行く
リア
「リーシャ行きましょう」
リーシャ
「我々ギルドは大会の審判と大会中の学院の警備を依頼されましたからね
我々もここに残って戦いますよ」
近衛騎士
「殿下、時間がありません。急ぎましょう」
リア
「わかりましたわ
二人共死なないでくださいね」
来賓席からリアと近衛騎士が去り、ミーシャとリーシャは接近してくる竜の編隊を見る。発見した時は一般人の視力では見る事さえできない程だったが今ではその姿をはっきり見る事ができる
リーシャ
「竜の数が七十って事は兵士は四百ぐらいね」
ミーシャ
「王都からの増援が到着するまで持ちこたえれば私達の勝ちですね」
リーシャ
「ここまでは上手く事が進んでいるわね」
ミーシャ
「来ましたよ
話は終わりです」
学院の外壁はそれなりの高さがあったが空を飛ぶ竜騎士の前では無意味だった。そもそも扱いが難しく、数の少ない竜を揃えられる国が限られているので竜が攻めてくる等想定していなくて当たり前であった。
外壁の上には遠距離系の魔術師と弓を持たせた兵を配置するが数が少なかった。既に竜騎士は眼前にまで迫っていた
「射て!」
指揮を任された大尉が叫ぶ。
様々な魔法と矢が竜騎士に向かっていく
竜は大きく口を開き『ブレス』を放つ
大半の魔法と矢が消滅し、残った魔法と矢も竜に僅かな傷をつけただけだった
「まずは邪魔な兵から片付けろ!」
竜騎士の指揮官は部下に命令を出す
既に四百近い兵が試合会場付近に降ろされていた
「アルビオン側の戦力は小隊一つに傭兵くずれだ。討ち取って手柄にせよ!」
竜騎士七十騎、兵士四百とミーシャ率いる小隊四十、ギルドから派遣された三十、合わせて七十の戦いが始まった
遅れてすみません。少なくてすみません。インフルエンザで学校が休みです。手洗いうがいはしましょうね。