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FPS初心者だととりあえず銃乱射するけど結局リロード中に速攻でキルされるよね

お久しぶりです。

今回割と長めです。


 俺の通う拝成(はいせい)高校は、公立の進学校だ。割と年季の入った校舎である事と、水球が全国レベルで強いため、プールの設備が良い事以外は特筆すべきものは無い。

 高校の偏差値は上の下といったところだろう。まあ天才になれなかったが平凡でもない中途半端な頭脳を持った生徒がほとんどを占める高校だと思ってくれればいい。

 ちなみに、ゲーマーにとって死活問題であるスマホに関する校則だが、昼休みは使用可能だ。まあ、他の学校とかだと校内全面禁止とかがザラだと聞くから、昼休みだけでも使えるだけマシだろう。


 校舎に入り、3階まで上がると、廊下に人だかりが出来ていた。おそらく、人混みで隠れてしまっている掲示板にクラス表が貼り出されているのだろう。

 

「うーわ、これどうするよ?」


 俺がそう2人に問う。


「あ、じゃあ私見てくるよ、女子多いから2人が行くと色々やばいだろうし」

「「頼んだ」」


 大脇が代表して見に行ってくれることになった。小柄な体躯を生かしてぬるぬると人の間を縫って行くのが見て取れた。ぼっちの固有スキル『人混み掻き分け』を発動しているようだ。速すぎだろ入ってくの......。すげえな、後で俺も教えてもらおう。


 すると、1分もかからないうちに大脇が帰還した。


「残念だねー。進は4組、瞭介は6組。ちなみに私は3組」

「ありゃりゃ、離れちゃったな」

「まあ来年は多分一緒になるだろ」


 瞭介と同じクラスになれなかったのは残念だが、まあ引きずっていても仕方がない。軽く言葉を交わした後、三者それぞれの新しいクラスへと赴いた。


 4組の教室に入り、まず黒板に貼ってある座席表を見る。よし、窓側後ろから二番目の席! 苗字(みょうじ)の始まりが『し』で良かった!


 自分の席に着くとバッグを下ろし、先生が来るまでする事もないためポケットからスマホを取り出し、ゲームを開ける。

 朝なのにスマホ使っていいの? 使っていいのは昼休みだけじゃないの? と思ったそこの諸君。いいか? この世にはとーってもありがたい言葉があるんだ。


 そう、バレなきゃ犯罪じゃ―――――


「あれ、進じゃん。また一緒か」

「お、幸樹久しぶり」

「また『オワターズ』かよ。懲りないねえ」

「うっせえ。面白いからいいだろ」


 気安くそんな会話をする俺と、井川幸樹(いかわこうき)

 去年クラスが同じで、昼飯を一緒に食べていたメンバーの一人だ。

 成績中の上。硬式テニス部所属で運動神経抜群。容姿が割と整っており、密かに恋心を抱いている女子がいるかもしれない。

 去年はリア充グループの中間あたりの立ち位置で、男女関係なく喋っていたため、男子としかあまり………いや、ほとんど男子としか喋らない俺からしたら、スクールカースト的に格上も格上の存在だ。

 何故俺と幸樹の仲が良くなったか、一応馴れ初めをば。

 

 高校一年生が始まって間もなく。同中で拝成高校に進学したのは俺と瞭介(りょうすけ)と大脇だけなので、ほぼ人間関係がリセットされた俺は、友達ができるかどうかが不安だった。不安だったが、自分から話しかけるような勇気もなく、俺の高校生活終わったかな……と思っていた。

 そんな、友達作りを半ば諦めていた俺だったが、ある日の昼休みのこと。ちょっとトイレに行こうと立ち上がったと同時に、テンションの高い声が聞こえてきた。


「うぇーい、10キル目~」


 ………ん? シューティングゲームでもやってるのか? 

 ちょうど通り道に声の主の席があったため、一応後ろからスマホ画面を覗くと――――


「って、『生存戦略・インフィニティ』じゃん‼‼‼」

「えっ」


 感極まってボリュームマックスでそう叫んでしまった、

 もちろん、俺を待ち受けていたのは。


「「「…………」」」


 クラス全員(もちろん女子も)の沈黙という、当時ぼっちだった俺には精神的ダメージが余裕でカンストしている、会心の一撃だった。

 

 ………しかし。一人だけ俺の言葉に反応した人物が。


「…………ちょっと待って、新城君、このゲーム知ってるの?」


 その人物こそ、先程『生存戦略・インフィニティ』という、ガチガチのFPSゲーム(一人称シューティングゲームの事。銃を撃ち、殺し合うゲームだと思ってくれればいい)をプレイしていた、井川幸樹、その人だったのだ――――



 まあこんな感じで、俺がたまたま幸樹がプレイしていたゲームをプレイしていたことから仲良くなったのだ。

 ちなみにその後、他の男子生徒ともゲーム会話をすることで仲良くなり、ぼっちは回避した俺氏だった。


 やっぱゲームって良いもんだわ!


 ………っと、なんか話が逸れたが、これで理解していただけたと思う。


 まあ去年の人間関係はあまり動くことがないだろうから、今年も一緒に昼飯を食うことになるだろう。

 こいつと一緒にいれば、虎の威を借る狐のごとくスクールカースト一軍に入れるかも!

 だから、仲良くしていたいのだが………


「おい進。『オワターズ』なんてやめて『神銃』一緒にやるぞ、時間あるし」


 割と強引な性格してんだよなあ、こいつ。

 あ、言ってなかったが、『オワターズ』というのは、『チェスターズ』がもう『オワコン』であるという意味で、それを組み合わせた言葉だ。

 『チェスターズ』くらいの人気ゲームになると、俺のように熱狂的なプレイヤーもいれば、幸樹のようにアンチも湧いてしまうものだ。ここは個々の感性によるものなので、俺はしょうがないことだ、と割り切っている。

 まあ『オワターズ』なんて聞いた時には激怒して『チェスターズ』の良さを分からせるまで早口でまくし立てるようなやつもいるけどな。


「進、やるならはよして」


 そういや幸樹への返事がまだだった。なんやかんやで俺も『オワターズ』と言われて苛立っていたのか、言われるがままに幸樹とFPSやるのは、なんか違うと感じてしまった。ちょっとふざけてやろうと思い、その結果、


「ちょ待てよ」

「いや、キムタクはいいからさ」


 くそ、このボケは良くなかったか。じゃあ次は………


「ちょっと待てちょっと待てお兄s――――」

(なつ)いな! もう終わってるよそれ!」


 いいツッコミが返ってきた。よし、おふざけ成功だろう。


 これ以上ボケたら幸樹がキレそうなので、ちゃっちゃと『神銃』というFPSアプリを起ち上げる。

 幸樹からのチーム招待を受け、マッチング画面に移行し、程なくしてオンライン対戦が始まった。

 すると早速、


「はい乙ー、初キル頂きました」

「早っ」


 幸樹がショットガンでいきなりキルを取ったらしい。初キル通知が右端に表示される。 

 

 これまでの会話等で感づいている人もいると思うが、幸樹はFPSオタクだ。それもかなりの。


 なんでも、FPSの虜になってからというもの、ほかのゲームが娯楽(ゲーム)だと思えないらしい。とにかく幅広くゲームをやっている俺からすれば理解し難い感情だ。

 

 ただ、それに見合う実力も持っているのも事実だ。


 この『神銃』というゲームは、決められた時間内に敵チームとキル数を争うというFPSだ。

 スマホにしてはかなり綺麗なグラフィックと操作性の良さからか、つい最近リリースされたゲームながら割と人気を呼んでいるのだが………


「いや、敵弱えな、またキッズか?」

「それな、さすがにキッズやなこれ」


 スマホという、媒体の敷居が低いこともあってか、とにかくキッズが多い。

 キッズ、というのはそのままの意味で、子供が操作しているということなのだが、あまり言いたくはないが、とにかく下手なのだ。

 FPSがそこまで上手くない俺でさえ下手だと感じるのだから、相当である。

 さっきも言ったが、リリースされたのはつい最近なので、まあしょうがないといえばしょうがないのだが………


「はよ運営マッチングをランク制にしてps(プレイヤースキル)同等の人とマッチングするようにしろよ………リスキルたのじいいいいい」

「…………大丈夫か、幸樹。あ、終わった」


 とうとうキッズが弱いせいか壊れ始めた幸樹に若干引いていると、ゲームが終了し、勝利の文字が。


「いやお前キル数おかしいだろ!」


 リザルト画面の幸樹のキル数欄が、常軌を逸した数字だった。いやこいつ上手すぎる......。


「………俺分かったよ。リスキルこそ正義だ」


 そう言って、悟りを開いたかのように遠くを見据える幸樹。

 ちなみに『リスキル』というのは、略さず言うと『リスポーンキル』だ。

 今やっていた『神銃』というFPSは、キルされると特定の位置にリスポーン、つまり復活するようになっている。

 当然、敵は直接その位置には攻撃できないし、その周辺に立ち入ることもできない。

 ただ、進軍する方向が限られてくるため、攻撃可能なギリギリのラインまで前線を上げ、待ち伏せすることによってリスポーンした相手をキルすることが出来る、というわけだ。

 まあ普通上手い人ならばリスポーンした後はリスキルを警戒して進軍するものだが、今回相手だったキッズは無警戒だったらしい。幸樹の絶好のリスキルの的になってしまった。


「帰ってこい! リスキル厨なんていう害悪にお前がなっちゃいかん!」


 肩に手を掛けて幸樹を揺するものの、どこか上の空の幸樹。

 その後、幸樹が正気を取り戻すまでずっと声を掛け、肩を揺すっていた。


今回はあとがきをしっかり書きます。

今回長くなったのは、とある友人(ホモ)に、

「一つの話が短くない? あと投稿頻度上げろ」

と言われたので、投稿頻度は変えられないけど、長くするのは出来そうだったので長くしました。


いや、ちょっと宣伝入りますけど、作者は学生で、しかもyoutubeでもゲーム実況してるんで、割と忙しいんです(ゲーム実況に関しては、最近始めただけなんでまだまだですけど)。

それを早めろって、さすがに厳しいのです。


分かったか、友人(ホモ)。どっちも頑張るけども。


というわけで。ここいらであとがきも終わりです。また来週お会いしましょう。さらばっ!


作者のyoutubeに興味がある方、こちらへ↓

https://m.youtube.com/channel/UCdqT9qsaI9KF5TrBTBjLE1w


パズドラ、パズドラレーダーなどを主にやっております。よろしくです。


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