レースゲーム初心者だとつい体も一緒に動いちゃうよね
サブタイトルはゲームあるあるです。ネタが尽きるまでサブタイトルはゲームあるあるです。
ピピピピピピピピピピピピピピピ――――――――
「…………あれ、なんでこんな早い時間に? あ、今日始業式か……」
けたたましく鳴り響くデジタル時計の目覚ましをオフにする。
一階に降り、リビングの扉を開け、真っ先にソファーに寝転がりながらスマホゲームを起動する。
「…………」
「おい、ゲームやめろ。ごはん食え」
「おっ、おいッ!」
淡々といくつかのゲームのログイン作業をこなしていたところ、俺の天敵である母親が現れ、スマホを取り上げられる。
「はぁ……まだ終わってないのに……」
今、俺は7、8個のアプリゲームを並行してやっている。まあスマホにインストールされているゲームは20近くあるのだが、最近熱が冷めたものが多い。というか、友達に勧められインストールはしたものの、イマイチ合わなかったのだ。
そんだけログインしなければならないゲームがあるというのに、あのクソ親ときたら……!
まあごはんを食べないと返してもらえないのは分かりきっているため、ちゃっちゃと食べることにしよう。よっこいしょっと――――
「ふぁあああああ…………(ドサッ)Zzz………」
「…………おい、どいてくれ」
「Zzz………」
くそ、妹が俺を下敷きにしながらソファーで寝てやがる。
さすがに俺が痩せてるとはいえ、細身の女子中学生である妹をどけて立つことなど造作もないが、少し仕返しもしたくなった。
と、言うわけで。
「あのー、光さん、さもないと、お胸を揉みしだく所存でございますが………」
「…………………」
俺は妹のまだ成長途中といった胸に目を向ける。しかし、反応がないな。
「いや、無視せんといて? こっちは本気だからなァ………!」
「…………(俺の股間にグーパン)」
「ぐはぁぁぁ!?」
「はーい、私の勝ちー。兄ちゃん、詰めが甘いっての」
そう言い、さっきまで俺の上で寝てたのは嫌がらせでした、と言わんばかりにぴょんと俺の上から飛びのく妹――――光。
我が妹・新城光は、中学二年生だ。
身長低め、細身、卓球部、何故兄妹でここまで差が出るのかという整った容姿。成績は………中の上くらいだろうか。兄妹仲は悪くはないと思う。決して良くもないが。
容姿が整っているのは、俺は認めたくないが、告白を今までに三回受けたことがあるらしい。この前自慢された。正直、光に告白した男はもっと内面を見たほうがいいと思う。割とマジで。
まあ中学生のウェーイ系男子は顔しか見てないわな(※偏見です)。
そろそろ飯を食わないとスマホ以前に時間もヤバイので、ソファーから立ち上がり、光に向かい合った椅子に腰を下ろす。
親がつけているニュース番組をなんとなく見ながら箸を進め、完食する。
再びソファーに舞い戻ると、俺のスマホがちょこん、と置いてあった。何も言わずに返されるのはいつものことだ。
まだちょっと時間があるので、さっき終わっていなかったログイン作業を再開する。
「っと、これやんなきゃな」
他のゲームのイベントがあったために、なんとなく優先順位が下がって今日ログインするのが一番遅くなってしまったゲームを開く。
このゲームのタイトルは、『チェインスターズ』、略称は『チェスターズ』だ。
ゲームに甲乙付けるのはあまりしたくないが、中学生の頃からやっているため、特に思い入れが強いゲームだ。
ゲームのジャンルは、タイトルからも分かるとおり、パズルゲームだ。
アプリゲームが浸透して間も無く、爆発的な人気を見せ、今や日本人であれば一度はその名前を聞いたことがある、くらいユーザーが多いゲームである。
ログインは20秒もからずに終わり、スタミナを消化するために軽く編成を整え、ダンジョンに潜入しておく。
よし、これで昼休みにできるな。
ほくそ笑みながらバッグを手繰り寄せ、背負う。
ちなみに光は中学校が家から近いため、未だにテレビを見ている。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃいー」
親に返されながら、玄関を出て、自転車に跨る。
「よっこらせ、行くかー」
そんな独り言を呟きながら、家からの最寄り駅に行くには些か遠回りと言える道を通って行く。
感想、高評価お待ちしてます。