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序章 2

 昼休み、ぼくは窓際の自分の席から校庭を見ながら、購買で買ったパンをほおばっていた。よく知らないメーカーの、もさもさしたメロンパンだ。校庭では正明が友達たちとサッカーをしている。彼は持ち前の運動神経を発揮してボールに飛びついていた。ため息が出そうだったので、ぼくは空に目を向けた。入道雲が青空を背景に立ち上がっていて、夏がもうすぐそこまで来ているのだと感じさせる。こんな空に隕石が落ちてきたらどうなるだろう、と想像してみる。白い雲を突き抜けて、巨大な炎の弾丸がこの街を押しつぶそうと迫ってくる……。そのときぼくは、いったい誰と一緒にいるんだろう。ちら、と教卓のほうに目をやった。

 教卓のあたりでは、女子三人のグループが楽しそうに黒板に絵を描いて遊んでいる。国語の先生の似顔絵勝負をしているらしい。そのグループのなかに、あずさがいた。

「あなたと一緒にいれたらいいな」

 ……そんな風に言われるのを想像していた。実際は、もう全然口をきいていない。彼女と正明とぼくは中学生のとき同じ陸上部に入っていたけど、ぼくだけ高校で陸上をやめてしまった。

 特に理由があったわけではない。単に走り続けるのに疲れたのだ。それからぼくは、釣りを始めてみたり占い本やSF小説を読み漁ったりして時間をつぶしている。


 授業が終わり、ホームルームが始まった。

「えー、台風が近づいてるから、各自気を付けるように。あした、授業がなくなるかもしれんから、ちゃんと警報を見るようにな」

 台風ときいて、教室がざわついた。いつの世も突然の休日は歓迎されるのみだ。

「おいおい、みんな、授業がなくなったらテスト勉強してくれよー」

 

 帰りの電車で偶然、あずさと同じ車両になった。ぼくの後ろに並んでいたみたいで、電車に乗り込んで扉にもたれかかったところで目が合って気が付いた。普段は帰宅部のぼくとはまったく時間があわないし、彼女はいつも友達と待ち合わせて帰っているから、テスト週間でも会うことはない。珍しいこともあるものだと思っていると、彼女から話しかけられた。

「ねえ、ちょっといい?」

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