表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

序章 1

 朝、ぼくは満員の通勤電車に乗り込んだ。毎朝のことだけど、憂鬱になるほどの人の多さだ。スーツ姿の人たちに押されながら、すこしでも寝不足を解消しようと、手を伸ばしてつり革につかまりながら目をつむった。

 電車がカーブにさしかかり、からだがぐぐっと傾くと、香水のいい匂いがした。花の、甘い香りだ。次の駅では人がたくさん降り、たくさん乗ってくる。それに備えてぼくは目を開けた。すると、前に立っていた女の人と、一瞬、目が合った。その瞬間に電車は駅にとまり、扉が開いて、その女の人も含めてたくさんの人が降りていった。ぼくは降りていくその人を思わず目で追った。パンツスーツ姿の、すらりと背が高い人だった。

 学校に向かう途中で、ぼくは突然肩をたたかれた。

「おはよう、元気か」

「おお、おはよう、正明。いつも通りだよ。今日は朝練はないのか?」

「テスト前だからな。けど走らないっていうのもちょっと変なかんじだよ」

「テストが終わったら夏休みだから走り放題だぜ」

「おいおい、陸上やめたからって夏休みのきつさは覚えてるだろ」

 そのとき、ぼくの横を制服姿の女の子が通っていった。

「聞いてるか?ああ……。」

 彼の顔を見ると、意味深ににやにやしていた。

「あれがウワサのあずさちゃんか?」

 小突いてくる彼の肘を避けながら、ぼくらは笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ