誰かさんの影に隠れて、なのか陰れて、なのかは明確にするべきですね。
昨日結婚した新婚宇宙海賊ですが、何か?
いやはやお寒いですね、俺です。
しかし、ダメ伴侶とかふつー言わないでしょ、ふつー。
そりゃ未だに住所不定職業不安定だし。
だがなぁ………いつかなるんだ大物宇宙海賊に!!
あ、なんか今の言い方かっこよかったな。
よし!気合い入れて!!
宇宙************
「ご主人様、ご主人様!なんかやりました?せっかくカッコつけたのに修正されてますよ?」
いや、気にするな気にするな。
きっと表紙のイメージキャラが似たとことバッティングしただけだよ、たぶん。
「ところで………ご主人様、お願いがある……ん、ですがぁ……。」
ん?また循環液排出しに行きたくなったか?
「違いますよぅ!!つきみはセミみたいに動く度に出したりしませ~んッ!!」
あ、そうだね。てかセミって何?
「そ~じゃなくてぇ、……鈍いですよ、ご主人様……。」
はい?ん~、ん、ん?
さっきから横向きにシート(何だかんだでブンドール号に戻った)に腰掛けながら、
ヒジ架けの上に指で、のの字を書きつつ、つきみ。
……なんか、火星から戻ったら、更に人間っぽくなった気がする。
そのつきみの指には、俺とお揃いの指輪。
うふ、そうなんだよなぁ。新婚かぁ。
「ご主人様、ハネムーン行きません?」
……はね?むーん?
「やだ!知らないんですかご主人様!?地球伝統の新婚夫婦が必ず行う契りの旅……なんです、よ?」
契り、旅。
なんか、実感湧かんなぁ。
すまんな、つきみ。俺のコロニーじゃ、婚姻届は80歳からだったし、結婚後は特に何も変化もないし。
「そーだったんですかぁ……ごめんなさい…。」
いや、つきみが謝ることないよ。俺、まだ若いし知らんことばっかだし。
「そ~ですよね!あたしもご主人様も若い若い!!あっはっはぁ~!!」
あっはっはぁー、てオッサンか?
ん?急に黙り込んで、シートで体育座りしながら、どしたん?
「……地球の新婚旅行って、受胎の儀式とも言われてて、ハネムーンベイビーって、旅行先で受胎出来た赤ちゃんは祝福されたって伝承も、あるって聞いたから………。」
お前、…………そっか。
こいつ、自分なりに少しでも、近付きたいって思ってるのかな。
つきみが、スッパの言う、融和派増殖知性体からの使いみたいなもんだとしても、
つきみなりに、俺と一緒に居たいから、そんな風に考えてるなら、
「よし!ハネムーンってのがよく判らんけど行ってみるか!!」
「ホント!?やったぁ~!!流石ご主人様!!太っ腹ぁ~ッ!!」
あぁ、お安いご用だって!!
で、どこ行けばいーんだろ。
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「……それで、相談に来たと言う訳ですか、旦那様。」
うん。正直わかんない。そもそも俺火星の先すら行ったこと無いし。
「そうですか。それでしたら、思いきって外宇宙辺りまで行ってみますか?」
そこって遠いの?
「我々アンドロイドならたいしたことありませんが、人間にとって二百年位はかかりますが。」
お前ねぇ、新婚旅行で俺、老衰死とかしたくないよ!?てかスッパ、外宇宙って楽しいの?
「鉱物資源は豊富ですが、それにご不満でも?」
スッパ、たま~にお前、わざと仕事しない時あるな。それにしても外宇宙かぁ。
ルナにも聞いてみるか。
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一応、妙齢の一個人としての扱いなので、小さいながらもルナには個室を与えてます。
でも、一応ボンキュッボン、だからねぇ。
あんまり裸でウロウロ(セクサロイドなら普通か)されるのも困るし。
ルナはルナで俺のことは、姉様の付録か何かしか思ってなさそうだけどね。
「あ…ご、主人。何かご用ですか?」
いや、用っていうか。つーか、今、何か隠さなかった?
「ややややや!!べべべべ別に隠してなんか!…ございませーん。」
ルナ、気にしてないからスカートの中に何か隠すのは止めてくれ。詮索即変態コースだろ?
「…ふぅ。ご、主人がまともに寸止め出来て安心いたしました。」
寸止めしてないから。ところでルナ、今から行きたい場所とかある?
「ふわぁっ!!い、今から、ですか!?……熱烈希望です。土星に行きたい所なんてアステロイド小天体群の複合娯楽コロニーが物凄く熱烈希望ですが?」
うん、判った。また後でね。君の心の声がガンガン聞こえた。俺目覚めたのか?
つーか、スカートから「土星ウォーカー・総合娯楽コロニーが今激熱!二人で行きたい太陽系デートスポット総当たり血戦!!」ってプリントアウトが見えたし。
土星ね。スッパに相談してみっか。
飯食ってからね。
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《火星ステーション公認・マーズワースの庭からミドリムシ&クロレラ饅頭》
饅頭ね。なんだそりゃ。なんだそりゃ。
まず、材料は、藻。
宇宙でも水耕栽培が簡単で、まぁミネラルあれば育つ?って感じかな。
あとは饅頭にした。そんな感じ。
味………?、藻。
それに饅頭を甘辛くする材料。
後は………中身が昔は九個だったけど、今はこの一個を入れて12個。それ以外は、ねぇ。露骨だし。
味以外は妙な物体、味は多分昔と同じ、だと思う。
記憶も味も曖昧なんだよなぁ、インパクトないし。
付属の水で流し込んで、ごちそうさまでした。
そんじゃ、どうやって行くかな。
スッパの私物航宙船には、人が乗るスペースは無いんだってさ。ケチ~。




