表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

哲学的断片

作者: 七夕ハル

 選別する。私たちは、世界を選別する。選ばれた側は、日の目を見て、脚光を浴びる。一方で、ハズレクジをひいた世界の一部は、その姿をくらましてしまう。アフリカにアウストラロピテクスが生きていた時代の延長線上に、私たちは、進歩を続けてきたはずだった。その人間様に何故、生きることを自ら放棄する生態が生まれてきたのだろう。恐らく、選別するということは、見たいものを見えるようにするわけではなく、見たくないものを見えるようにするという一種の“ノゾミヲカナエナイ“があるようだ。その中心に位置する理性様に、爆弾をぶつけてやろうと、私は、多くの人間たちを殺めた。愚か者たちは、同じことを繰り返す。そして、愚者であることを自認する私もまた一人称を持って、殺伐とした永劫回帰を導くのだ。世界よ!何故そのような美しい姿をみせる一方で、このような恐るべき現実を人間たちにみせるのか。人間は、文明化するにつれて、自らの手で、良い環境を維持しようと努めてきた。しかし、である。人間たちの脳みそには、追いつかない程の変化が起こった。そして地球は、無為に変化を続ける。動きを続ける。万物は不変であると同時に、人間界と言い表されるものも、また不変である。その中に、決して見てはいけない罪があるとしても、私たちは、生きていかねばならないのだ。十二大英雄は、人間の作り出した虚妄である。一方で、その伝説は、人間を愚弄している。人間とは、素晴らしい!という礼賛は、爆発的な傲慢人種を生み出した。彼らは自分たちのことは自分たちでできる。自分たちの人生は、自分たちで歩めると豪語した。その結果を見てほしい。多くの人間は、日々不安を感じながら路頭に迷っているではないか。真実の鏡がもし、人間の心を映し出すとしたならば、多くの罪悪がある。それでも、人間は、善良であると信じる者の叫びを聞いてくれ!マーラーの交響曲を聴くように。そして、権力者たちの言葉を聴くように。人は、皆歪みを蓄える。それは、人生によって獲得されると思われていた。しかし、それは、過去の遺産でもある。我々は、過去から切り離されて生きることができない。新しいものが誕生したとしても、それは、過去への否定なのだ。それは親に執着するあまりに、親を憎む心境に似ているだろう。彼の中で親は、徐々に大きく膨らんでいき、やがて巨大化した神は、人間と接触する機会を失う。それが現実ではないか?それが現実ではないか?人々の咆哮は、過去を断絶せよ、と叫ぶ。一方で、夜の散歩者は、やはり、暗がりが好きなのだ。これが、保守の原動力であり、過去への思慕となる。もし、世界が若者だけになったならば、過去は、ぬぐいされるか?否!建物を見よ。遺跡を見よ!いたるところに、人々の世界のいたるところに、歴史は、存在しているではないか。何もないところから、生まれた始原の生物は、偉大である。一方で、とてつもなく小さな存在だったであろう。それが、ここまで、生き延びてきたとは。進化論は、そう言っている。ただし、科学は一つの仮説である。科学的価値観が、世界を作りかえたとしても、人間の信仰は生き続ける。そして、科学は、究極的な問いに答えることができない。いつまで経っても、科学は、はじまりに到達しない。何かをなせることは、何かをなせぬことと同じだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ