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花園で笑う  作者: 宮澤花
第1部 千草
27/211

断章 妖精 -2-

 ざわざわ。ざわざわ。

 花園が、揺れている。


 私の/僕の/俺の/アタシの。

 美しい花園が、不安で不穏に揺れている。


 ここは、世界でたった一つの場所。

 唯一の、my/ma/我的/mi/мой 世界。


 それを揺すぶるヤツがいる。


 僕の世界を壊そうと。

 私を粉々に砕こうと。

 こんなに美しい場所なのに。

 永遠を、刹那に変えようとするヤツがいる。


 いつの間に。

 そんなモノがはびこってしまったのか。


 私は/僕は/アタシは/俺は、歯噛みする。

 庭師の俺が。

 目を離した隙に、あんなものが。


 美しい花の間で、体をくねらせて醜く蠢くようなものどもが。

 あちらにも、こちらにも。

 

 僕の世界を食い尽くそうと。

 私の世界に醜い穴を開けようと。


 翅ある者たちに手を伸ばし。

 空飛ぶ彼女を地面に落とす。


 だから、俺は/私は/僕は/アタシは。

 いつものように笑顔を向けて。


 堕ちたあの子を、踏み潰す。


 地面と靴が汚れるけれど、

 後には何にも、残らない。



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