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断章 記憶 -4-
それは、入学してそう月日の経たない頃だった。
生理痛がひどくて保健室に行った。
保健室の先生は若くて綺麗で優しくて。
なのにどうしてか、ひどく気配がからっぽだった。
決められたことしかしゃべれない人形と会話しているみたいで、
何だかとても不安になった。
それは自分が緊張しているからなのだと。
そんなことはないのだと言い聞かせても。
不安はどんどん強くなった。
先生がチェックのカップにハーブティーを入れてくれ、
アロマポットに火を入れた。