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花園で笑う  作者: 宮澤花
第2部 忍
134/211

断章 記憶 -3-

 ヒトリジャナイヨ。

 あなたは言った。

 ヒトリジャナイヨ。

 笑って言った。


 その唇が赤いので。

 私は怖くなりました。


 からっぽの国のからっぽのお姫さま。

 あなたの言葉は優しくて。

 あなたの声は甘いのに。

 私は冷たいその手を取って、

 いっしょにくるくる踊れません。


 あなたはだあれ。

 信じていいの?


 逃げ出した私の背中を、

 どこまでも追ってくる黒い影。

 あれと私は近いので、

 もしつかまってしまったら、

 歯を立てばりばり食べられて、

 骨も残さず消えるでしょう。


 だから助けて。

 誰か助けて。

 

 手に取れる温かさがあることを、

 弱い私に教えて下さい。


 お願い。

 お願い。

 お願い。

 お願い。


 私を。

 助けて。


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