昔話
現代社会の動物に対する冷たさに悲しみを覚えつつ、人と動物の共生は無理なのか? と、考えさせられるこの頃。人と動物が本当の意味で共生できている世界とは? 自分なりに考えて、物語にしました。
遥か昔、人と動物は共に助け合い生きていた。
種族の概念がなく、共に自然の声を聞き、共に植物を食べ生きていた。
人は動物より少しだけ感情が豊かで、少しだけ賢かった。
だから植物の美味しい食べ方や楽しい遊びも、動物より心得ていた。
果物を干してすりつぶした木の実と混ぜ合わせて、クッキーを焼いたり、草笛を吹いたり、自然の花で冠を作ったり。
人は動物から尊敬と好意を受けて、神と呼ばれる様になった。
でも神と呼ばれた瞬間、人と動物の関係は対等ではなくなった。
それから動物は自然と、人が生きる為の食料と成り果てていく。
動物は自分達の過ちを嘆きつつ生きる為に仲間の屍を越えていき、人から逃げる日々。
うさぎは耳をそばだてて隠れ、魚は尾を使い、鳥は大空を舞い、狼は足を使い、それぞれ人間から必死に逃げていく。
そうして鍛えられていく内に動物は運動神経が良くなり、人を撒くのが上手くなり、生き延びる数が増えました。
反対に人は植物が食料の日々。
でも1度肉を食べた時から、植物だけでは物足りません。
人はどうしたら動物を仕留める事ができるか? 、深く深く考えます。
そして賢い頭を使って石槍以外にも、弓矢や罠を仕掛け再び動物を追い詰めていきます。
動物は殺される瞬間、自分の状態が理解できない表情で死んでいく事が多い。
稀に恐怖で足が竦み、涙を流す動物もいる。
そしてそんな動物を殺す人の表情は、冷酷な微笑みを浮かべていた……
むかし、むかしのお話
どうやって話をもっていこうか、悩み中です。