変人二人組
それからぺちゃくちゃ喋るコイツと無言の私という状況が続いた時、やっと昼休み終了のチャイムが鳴った。
「私、教室戻るから」
「あっ!!じゃあ俺も行くー。」
「……チッ」
「今舌打ちした!?したよね!?」
「シテナイシテナイ」
「めちゃくちゃ片言だよ!?」
「…はぁー、私が悪かったですよ。だから一緒にいないでくださいお願いします」
「傷つくーっ!!!なんでちぃちゃんは俺に冷たいんだよ!!?」
「うざいーっ!!!なんでアンタは私に構うんだよ!!?」←真似してみた
「なんでって……」
「……」
「なんで?」
「しらねーわっ!!」
本当に疲れる、コイツは何がしたいのかまったくもってわからない。
どうして私に構うのか…、私なにかしたのかな?
思い返せば暗黒の中学生時代にコイツと出会ってそれから一ヶ月くらい経ってから私にしつこくなったよね。
「……とにかく優等生の私は教室に戻るからっ!!」
「どこが優等生なんだよー、中学生の頃なんかちぃちゃんすごかったじゃん。」
「でも特進だった」
「でも問題児だったよ」
「……」
「やった!!今日は俺が勝った!!」
「勝負なんてしてないし」
「それでもいーのっ!!ほら教室行こうよ!!!」
二人は屋上を出て教室にへと向かっていった。
何だかんだ言って千春は秋都一緒にいる時間が何よりも楽な時間かもしれない。
千春の暗黒の中学生時代。
その時は友達なんてものはいなかった、そんな千春が初めて素を出すことができたのが秋都なのである。
「なにが起きても笑っていられるアンタが私は羨ましいわ。」
「俺はちぃちゃんの方が羨ましい。」
また、秋都の方も自分の顔やブランド…外側しか見てない回りの人間の中で初めて本当に自分のことを見てくれたのが千春だった。
まだ一方通行だけど、少しずつ求め合っているのは確かなのかもしれない。
「……(コイツ、本当にうざいな)」←ひねくれ者
「……(ちぃちゃんに見られると、ハァハァ)」←変態
……変人二人が出会っただけの話しなのか、いつ始まって終わるのか…まだまだそれを知る時はほど遠い。
「コラァッ!!水城、染谷!!遅いぞ!!!」
二人は時間を忘れ言い合ってゴリラみたいな担任にこっぴどく怒られたのでる。