馬鹿な二人
「あっ!!!ちぃちゃん!!やっぱここにいたっ!!!」
「……」
あー、嫌だ。鬱陶しい。
コイツは何故私の居場所がわかるのか、不思議でならない。
「ちぃちゃん、ちぃちゃん。お昼くらい誘ってくれたっていいじゃん!!俺探したんだよ!!!」
「…あっそーですか」
「なにそのリアクション!!」
「…わー、ありがとー私のこと探しに来てくれたのねー嬉しくないわー」
「あ゛ーっ!!ちぃちゃんの意地悪!!!」
「アンタは子供か、」
「子供だし!!」
「…私、子供と話すの苦手だからバイバイ」
「ちぃちゃんだって子供だろ!!」
「は?私、もうお子様ランチ食べてないから。」
「…あっ……俺もお子様ランチ食べてない、じゃあ俺もう大人?」
「少年じゃないの?」
「そっかそっかぁ、お子様ランチ食べてないから俺子供じゃないのか!!気付かなかったよ!!!」
なんとも馬鹿な二人である。
お子様ランチを食べるか食べないかで子供か子供じゃないか決まるわけではないのに…。
「……(私は小学校3年生の頃にお子様ランチ卒業したから4年生でもう子供じゃなくなったのか)」
「……(俺、中学校2年生の頃にお子様ランチ卒業したから…そうか1年前にはもう少年になっていたのかぁ)」
まったく馬鹿な二人である。
それぞれ奇想天外な想像を膨らませながら“じゃあ幼稚園でお子様ランチ卒業したら…”と考えていた。
この二人にはお子様ランチを食べたことがない人のこととかは思い浮かばないらしい。
「ハッ!!私いつの間にコイツと話していたのか!!なんて失態!!」
と、ここで私はおじさんがお子様ランチを食べていたら…という考えをやめにして隣にいるコイツ…染谷 秋都のことを再度睨みつけた。
「ん?なんだよ、ちぃちゃん。もしかして俺に見惚れてたの?」
「馬鹿かアンタは」
それにコイツは私のことをちぃちゃんと呼ぶ。
きっと私の名前が
水城 千春だからだろう。