第一話【嫌われもの+人気者=?】
二次元小説を書くな!と言われて腹立たしいので、恋愛小説を書くことにした三神です。
男が恋愛小説を書くのって、おかしいですよね。すみません。
どこまで高校生の生々しい恋愛を書けるかわかりませんが、頑張りますので、どうか生暖かい目で見て下さい←ぇ?
腰まで長い黒髪、今時珍しい分厚い黒ぶち眼鏡。その二つだけで彼女―園田小明の全てがわかってしまう。言わなくてもわかるが、あえて言おう。真面目だ。
そんな彼女の登校を誰しも祝福しないように、全員が顔をしかめた。
「見ろよ」
「ぁあ。『お嬢様』か。相変わらず、地味だねぇ。あんなやつ来なきゃいいのに」
「ばか。聞こえたらどうすんの?『娘』よ」
「『あれ』さえ居なきゃ、学園生活をフィーバー出来るのに」
(いいつけないわよ。別に)
彼女は生徒達のひそひそ話を耳に入れているが、親であり、この高校の理事長である自分の父に言うつもりはなかった。
先生にも理事長の娘故に丁重に、大事に扱われ、購買でも『理事長の娘だから』と言う理由で、他の生徒と違って並ばずに買えたりなど、そのせいで他の生徒からはいじめられはしないが、無視もしくは、話しかけても、適当なことを言われるだけ。一言でいえば、自分の存在が確率していないのだ。
(もう諦めたわ。高校なんて)
彼女は諦めていた。高校で友達なんか作れないと。だが、そんな彼女に
声をかけてくる
「よう。元気か?」
その少年は小明とは風貌が全く違う。彼は服装でいえば不良…なのだが、それには似合わない爽やかな顔を持っている。
「ったく、相変わらず湿気たツラしてんな。しみせんべえでも食ったか?」
彼―、城下綾汰はいつも小明に声をかけてくる。…よくわからない冗談を交えながら。
「城下君、私と話さないほうがいいわ」
「気にすんな!俺はきにしてねぇっ!」
爽やかな笑顔で返され、小明は表情には出さないが、内心焦った。いつもなら、とりつく島も与えないように、こんな笑顔は見せないうちに去ってゆくにも関わらず、今日に限って爽やかな笑顔を振り撒いてきたのだ。
「いいわ。ほおっておいて」
そう言うと、小明は笑顔の彼を無視して去って行った。
side.綾汰
城下綾汰は本人は認めてないが爽やかだ。『一学年一爽やかな男』と他人から言われているが、本人はそれを自覚していない。むしろ、本人は熱血漢と思っているが、まわりにはそれはないと言われてしまう。
「だぁ…今日もそっけないな〜あいつ」
綾汰は男女問わず、毎朝自分の学年の生徒には挨拶をする。それがどんな奴でも関係なく。
「ま、こんな感じだし、仕方な……くねぇか…」
綾汰はそう思いながら、カバンを担ぎ、教室に入った。
「うっす!」
「お!じょーたじゃん!」
「おひさ!」
挨拶をすると全員が挨拶を返してくる。そんな彼も挨拶を返す。
「よ!どうだった?」
「富樹か。相変わらずさ。まぁ、口調は柔らかくなったけどねぇ…」
「そっか。ま、皆があんなかんじだからなぁ」
綾汰の親友の多奈川富樹が園田小明のいる席を見て呟いた。彼女のいる席のまわりに誰も近寄ろうとしていない。
「理事長の娘ってだけで、そんなに嫌われるか?普通」
「いや。多分だけど、お前みたいな性格なら、問題はないんじゃね?まぁ、園田っちは真面目だから、逐一報告してるように見えるんだろうさ。つかお前、人の影口を叩いたことないだろ?」
「うん!……まぁ、お前の影口ならいくらでも叩いたことはあるぞ」
「俺!?俺だけ限定!?」
「お前くらいしか〜叩ける奴いなしぃ〜」
「…確かn…へぶっら!」
毎朝恒例の漫才をしていると、強烈なラリアットが富樹に叩きこまれた。
「ふぅ…間に合ったぁ!」
「貞子、いいかげん朝早く起きろ!それから、腕を開いて走るな。毎朝、富樹はその腕の犠牲になってるんだから!」
「起きてるもんっ!お弁当作ってたら遅くなったんだよ!」
「弁当…?まぁいいや。んなことより、富樹。大丈夫か?」
壁に埋もれた富樹を抜いてあげると、富樹は弱々しく「今日に限って、右だった…」と答えた。
「あぁ。避けようとしたのか。止めな。あいつに常識なんて言葉はないから」
不思議そうに首を傾げる貞子こと、遊馬貞子を、綾汰は温かい目で見つめた。
次回
「なんで私と一緒の班なの?」
「だって、先生がうるさいんだもん!」
「お願い…一人にして」
「泣いてる子をほおっておけるか…ばか」
綾汰「次回、『HIGHT! SCHOOL LOVERS』
第二話【一人=不安=だから、一緒にいるよ】
次回も見てね」
大体の主要キャラは出しました。まぁ、他に後二人、三人いますが。
富樹くんは不遇ですよ?これからも、貞子ちゃんの無自覚な暴力の餌食になって行きます。彼はけっしてドMではありません。
小明ちゃんについては今後掘り下げて話を書いて行きます。
【キャラクタープロフィール】
城下綾汰
・趣味
料理、和裁、洋裁、
・特技
剣道
・技
日本剣道形
趣味は以外と女の子の為、自分では『乙男』と言っている。この趣味を知るのは親友の富樹しかいない。
クラスの何人かにはじょうたと呼ばれている。
持ち物は学校指定のカバン以外に、竹刀袋。そのなかに竹刀を入れている。ケンカは強い。棒を持たせたら右に出る人はいない。
多奈川富樹
・趣味
盆栽、和菓子作り
・特技
庭の樹の剪定。
趣味がおじいさんやおばあさん。ある意味、彼の性格に合っている。たまに綾汰の家の木を剪定しにやってくる。本人曰く「この木のバランスがいいんだ!」とのこと。よくわからない。
和菓子の腕は一級品。だが、綾汰の作った和菓子には勝てないと、謙遜しているが、明らかに綾汰より美味しいと、彼の所属する料理研究部では評判。綾汰も彼の和菓子作りの才能を認めていて、「俺は和食と洋食と洋菓子は作る。だから、和菓子は任せた」と言われている。後、お茶を煎れるのが素晴らしく旨い。
遊馬貞子
・趣味
洋裁
・特技
知るか!
ヒロイン?という感じの女の子。料理を作らせたら最後。全てのものが暗黒物質ないし、ヒッケル素粒子になってしまう。ある意味、恐ろしい娘。
『無自覚な暴力』を発動させたら、必ず富樹を巻き込んでしまう。
ボーリングが得意で、床に穴を……ごほんっ!ボールを転がしている。後、弓道の段位保持者でもある。
園田小明
・趣味
読書
・特技
知るか!
理事長の娘で校長の姪。そのため、全校生徒から嫌われている。綾汰をうっとおしがっているが、実際は羨望の眼差しを向けている。以外にメガネを取って、髪を整えると美人。美少女ではない。
理事長である父には自分の本音を話さないようにしている。
彼女も作る料理が暗黒物質かヒッケル素粒子になってしまう。