表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

「スライム」

初めまして。

ステルネと申します。


なろう小説を読み始めて、7年ほど経ちました。

自分でも書いてみたい欲求を抑えられずに書いてみました。


お暇つぶしになれば幸いです。

あなたは「スライム」をご存知だろうか。


ひのきのぼうで倒せる序盤のザコ。

はたまた、すべてを食らう最強の異形。


()()()()()()、どちらかに偏った評価が多かった。


そう。前の世界だ。

自分でもびっくりするくらいにべたな展開で異世界転生を果たした。


それが、俺。

生形育成(いがたいくなり)である。


今世の名前は「レイム」。

ごく普通の農民一家に生まれた3男坊で、すでに12年も時がたっている。


最初こそ気が付いたら赤ん坊になり、混乱もあったが。

幸いなことに異世界転生物は大好物であったため、状況を理解してそれらしく振舞うことにした。

義務教育レベルの知識しかない自分には科学革命だとか、農業革命を起こせるほどの知識はなかったため、農民にしては賢いレベルに収まっている。


魔法という技術体系は存在するものの、そういった魔法を扱える人材はほとんど王国や都会に住んでいる。

そのため、開拓村である我が農村には当然無縁のもので、時折冒険者と呼ばれる何でも屋が村を通るときに見かけるくらいであった。


落ち着いた当初は「うひょー、俺も魔法を使って無双してやるぜー!」なんて思ったりもした。

が、当然義務教育制度などなく、生活魔法という火付けや飲み水を出すくらいの魔法を使えるおばあちゃんが村唯一の魔法使いであったため、夢は潰えることになった。


さて、話を戻そう。

冒頭で語った「スライム」だが、自分が初めて見たのはトイレであった。


トイレとは言ったが、文明レベルがせいぜい中世なので掘っ立て小屋の真ん中に穴を掘って木の枠で椅子を作ったくらいのものである。


最初に見たときは軽く絶望した。

ああ~、そういう感じね、はいはい。

次に転生できるのはいつになるかなー、なんて思いもした。


どうにか、無心で用を足すことを覚える杭の時になってふと思った。

「なんか思ったより、大丈夫だな」

なんでだろうと考えてみたが、見た目はともかく匂いが殆どないことに気づいたのだ。


穴を掘ってそこに溜まっていく、いわゆる「ぼっとん便所」を想像していたのだが、そういえば一度も回収する作業を見たことがないなーと思い、今世のパパ上に「なぜなぜ攻撃」を仕掛けたのだ。


そこで初めて、「スライム」の名前を聞くことになった。

パパ上曰く、


・スライムという生き物がいる。

・その生き物は何でも食べて綺麗にしてくれる生き物である。

・青くて丸いスライムは川辺に多く生息していて、2~3匹ほどで群れている。

・ほとんどのトイレにはこの青いスライムが入っている。

・スライムはある程度栄養を蓄えると分裂するが、攻撃性はほとんどなく安全な生き物である。

・分裂したスライムが上から見えるくらいなったら、村の大人たちが処理をする。


そんな感じのことを、ニコニコしながら教えてくれた。

我が両親はとっても優しい。

…ママ上は起こると鬼のように怖いが。


そんなこんなでスライムの存在に気付いたが、その時は興味がそれほどなかった。

何せ魔法が存在する世界だ。

スライム以上に不思議な魔物はいっぱいいるだろうし、王都には研究機関もあると聞いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ある日のこと。

たしか、9歳の誕生日を迎えた頃だったか。


たまたまスライムの増殖を見る機会があった。

用を済ませておしりを拭く葉っぱを取ろうとした時だ。

手を滑らせて、複数枚の葉っぱを落としてしまったのだ。


少し慌てて、木の枠をのぞき込むと。


増殖したせいかスライムは視認できる場所にいた。

落ちたはっぱを一匹のスライムがすべて取り込んだ。

ぶるぶると震えると、分裂を始める。


そうして分裂したスライムの一匹は鮮やかな黄緑色をしていた。


だから何だといわれればそうなのだが、その光景が妙に頭に残ったのだ。


もしかしてスライムは取り込んだものによって色が変わるのだろうか。

なら糞尿を取り込んだスライムはなぜ青色なのか。

色の違うスライムは特性が変わったりするのだろうか。


一瞬にして頭に浮かんだ疑問は、スライムに対する知識不足でそれ以上進むことはなかった。

同時に、スライムのことを知りたいという欲がわいてきた。


この世界に来てから9年の年月が経ち、働けるようになってからは家の手伝いでほとんどの時間を過ごしてきた。

仕事中以外は近所の子供と遊んでいたが、精神はすでに成人している。

心の底から熱中できたことはほとんどない。


本も高価で、唯一魔法使いのおばあちゃんに魔法を習っているときは楽しめたが、2年も学べばそこそこ使えるようになり、便利ではあるがこれ以上の発展をさせるのは自分には無理だとあきらめてしまった。


前世の頃は自分の知らないことを知るのが好きで、ネットで調べたり人の話を聞くのが趣味だったこともあり、知識欲は人一倍あったと思う。


ネットがなく本も貴重なこの世界では、新しいことを知るのは難しいとすでに未来をあきらめていた。


だが、違う。

そもそも最初は誰もが0から始めたのだ。


知識のない状態から、興味を持ち研究して、何度も失敗を重ねながら知識を積み上げてきた。

その時の自分は知識の萌芽を、確かに感じた。


一度芽生えた欲は止められない。

その日から、「スライム」の研究は始まった―



いやー物を書くのは大変ですね。

書きたい展開を書くためにその前提を書かなければいけない…


できるだけテンポよく進めていって、簡潔まで行きたいですね。

不定期更新になると思いますが気長にお待ちいただけると助かります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ