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十五夜ハロウィンパーティ 7

 午前中の授業は全く集中できなかった。普段から集中できているかと言われると微妙だけど。

 もうすぐエクストラが現れる。サクラは何度も戦っているし、その感覚は残っているけど、私が遭遇するのは初めてだ。神経が張り詰めていく。アカメデイア周辺にエクストラが接近すれば、アクセプタントである私には分かる。ゲーム通りなら、まずは単独で食堂目がけて突っ込んでくるはず。食事に来ていた2年生組が「本当に出た!?」と慌てて迎撃する導入だった。

 昼休みになりアヤメと2人、食堂に向かう。繋ぐ手に自然と力が籠もる。アヤメを見上げると、安心して、とでも言うように優しく微笑まれた。彼氏か。ありがとうございます。


 食堂に続く渡り廊下に出た時、腕にぴりっとした感触が走る。エクストラだ。アヤメと頷きあい、グラウンドに向けて走る。反応は第一グラウンドの向こう、あの大岩に続く獣道の方角。杖を出して変身し、先を行くアヤメの後を追う。

 フェンスの向こうに、ぬらっとした白い肌の塊が見える。『ネズミ』だ。1メートルほどの体長の半分くらいある口を大きく開き、人間じみた歯を見せている。不恰好に突き出た短く細い手足が気持ち悪い。生理的な嫌悪感に肌が粟立ち、杖を持つ手が強張る。


「やあっ!」


 先行したアヤメがフェンスを飛び越え、薙刀を一閃する。呆気なく真っ二つになったエクストラは、黒い靄となって消えた。


「…この1匹だけかな」

「そうみたい、だね」


 アヤメが薙刀を構え周囲を警戒する。たぶんまたすぐに次が来るだろうが、感知できる範囲にエクストラはいないようだ。


「もう終わった?遅れちゃったか」


 カズラが追い付き、私達の横に立つ。サカキは…ああ、校舎の上にいるのか。この距離なら槍が届くということだろう。


「1匹だけだったみたいです。…あっちから来ました」


 アヤメが獣道の奥を睨むようにして言う。細く薄く、道に沿うように嫌な気配が漂っている。


「どうしますか?跡を追うなら…」

「すぐに次が現れないようなら、まずは食事にしようか。お昼まだだよね?」


 カズラがぐっと伸びをする。そういえば食堂に行こうとしていたところだった。お腹が空いているのを思い出す。


「腹が減っては戦は出来ず、ってね。森の中で行き倒れるとか笑えないよ」


 そう言うと軽々とフェンスを越え、食堂へ向かっていった。私達も後ろを付いていく。サカキが校舎から飛び降り、変身を解くのが見えた。ひとまずは食堂で作戦会議になりそうだ。

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