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01 防衛術式


アレクシスに呼ばれて向かった先。

その部屋に居たのは。


我がラスティル王国の若き国王セオドア。

シェリルと同じ16歳の王妃レオノーラ。

レオノーラの兄で宰相のナイジェル・アッシュフィールド。

次兄スヴェンと、その妻である宮廷魔術師ディアドラ。

ディアドラの上司であり、義弟でもある、宮廷魔術師長ベネディクト・リッジウェイ。


普通に生活していれば、僕のような新米騎士が顔を合わせることなどないであろう錚々たる顔ぶれに絶句していると、僕に気づいた若き王妃レオノーラが柔らかく微笑んだ。


「ノア様ですね。シェリルから聞いています。とても美しいお兄様がいるって」


レオノーラ妃の言葉にセオドア陛下が咳払いし、ナイジェル宰相に「嫉妬してんのか?」とからかわれている。

そういえば、セオドア陛下とナイジェル宰相は幼馴染みで悪友だと聞いたことがある。


長兄アレクシスに促されて部屋に入ると、すぐに扉が閉められた。

僕とアレクシス兄さんが最後だったらしい。


「ノア、お前は騎士学校卒業後に騎士団に入団して寮に入っていると聞くが……」

「はい。騎士学校時代から寮に入っており、マードック家から離れています」

「妹シェリルが予言者として正式に宮廷に入ったことは知っているか?」

「話は聞いています」


セオドア陛下がナイジェル宰相やベネディクト宮廷魔術師長と顔を見合わせる。

しばしの沈黙の後、ベネディクト宮廷魔術師長が前に出た。


「では、私から説明しましょう」



シェリルがある予言をした。

レオノーラ妃はこれから3人の男児を産む。

しかし、末の王子は固有魔法でラスティル王国を滅ぼすと。


この予言に対し、ベネディクト宮廷魔術師長率いる宮廷魔術師団はふたつの対策案を提出した。


ひとつは、金目で前世の記憶を持って産まれると予言される第3王子の前世記憶ごと、固有魔法を次兄スヴェンの固有魔法『消失』で封印してしまおうというもの。


もうひとつは固有魔法・属性魔法含め、ラスティル王国全域に及ぶ魔法が許可なく展開されないよう、防衛術式を展開しようというもの。

この防衛術式が展開すれば、ラスティル王国全域に及ぶ魔法のうち、王や宮廷魔術師長の許可なく展開したものは、不発に終わるか規模が小さくなるらしい。


「防衛術式は第3王子の件がなかったとしても、ラスティル王国の防衛と存続の為に是非とも展開したいと私は思っています」


防衛術式が展開されれば、敵国の魔術師による攻撃や策謀も防げる可能性があると、ベネディクト宮廷魔術師長は口調を強める。


第3王子とその記憶の封印、そして防衛術式については理解できた。

けれど、この場に何故自分が呼ばれたのかがわからない。


「僕は魔法の才は皆無に等しい新米騎士です。何故僕がこの場に呼ばれたのでしょう?」


僕の言葉に、ベネディクト宮廷魔術師長がコクリと頷いた。


「お答えしましょう。実は防衛術式の展開と維持には5つのオーブが必要なのです。宮廷魔術師団、そしてセオドア陛下とナイジェル宰相閣下との協議の結果、このオーブを王家と『始まりの四家』の代表に所持してもらうことになったのです」


ナイジェル宰相がベネディクト宮廷魔術師長の隣に立つ。


「つまりセオドア陛下と我々『始まりの四家』の当主が所持することになったのだが……」

「スヴェン様には第3王子に封印を施すという役目があります。そして、アレクシス様はアデル様に代わりピンコット家の代表となられます。よって、マードック家ではノア様に代表してオーブを所持していただこうと……」


マードック家から認められず、また、自身も避けてきたマードック家の代表が僕……。

次兄スヴェンを見た。

昔から僕を叱責し続けてきた次兄スヴェンは、僕と目が合うとすぐに気まずそうに視線を逸らした。








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