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05 無始無終


【ラスティル王国/???】


死の国となったラスティル王国に、私はライラと降り立った。


ライラ・リッジウェイ。


この国で生まれ、前世の記憶を強制的に思い出させる固有魔法『想起』を発現させた少女。

現在14歳。

私は彼女と共に、この死の国へと降り立った。


「どうして?」


ライラは肩までの長さのサラサラの銀髪を揺らしながら無邪気に笑い、首を傾げながら私に問う。


「私たちはこの物語に無関係。そうでしょ?」


そうだ。

この物語には私も、ライラも無関係だ。

厳密には、ライラが起こした《リッジウェイの惨劇》は関係している。


だが、あの惨劇はライラが意図的に起こしたものではないし、あの惨劇を元に私やライラが画策したのがこの結末というわけでもない。


ラスティル王国は、私とライラの預かり知らぬ所で勝手に滅びる。

『アルビオンズ プレッジ』というゲームのシナリオすら無視して、勝手に。


「あぁ、私たちには無関係だ」

「そうだよね、無関係だよね」

「…………だが、花束のひとつやふたつ手向けたいのではないかと思ってな」

「それで、わざわざ私を連れてきてくれたの? その花束を持って?」

「あぁ」

「そっか。優しいね、魔王様は」


私から受け取った花束を、ライラは風魔法でラスティル王国中に散らす。

色とりどりの花びらが、美しく舞った。


「花束は花の死骸。この死の国にはよく似合うわ」


ライラは花束を散らしながら、無邪気に笑った。


「魔王様、ラスティル王国への用事はこれだけ?」

「あぁ」


何しろ今のラスティル王国は死の国だ。

後は朽ちてゆくのを待つだけの、残骸の国だ。


「じゃあ、もう行きましょう。私たちはこの物語には無関係だもの」

「あぁ、無関係だ」


私たちが暗躍するとしたら、別の物語だ。

この物語で起きる惨劇には、私もライラも関係が無い。


舞い散る花びらを残して、私とライラはラスティル王国から姿を消した。





[前編~花の章~・完]







【前編~花の章~】はここで終わります。

ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

もし気に入っていただけたら、いいねや評価・ブックマークなどをいただけるとありがたいです。

どうかよろしくお願いします。

また、二次創作や「○○×▲▲萌え」というコメント大歓迎です。


次回から【中編~鳥の章~】が始まります。

【中編~鳥の章~】は【前編~花の章~】で惨劇を引き起こしたノア・マードックとスピルス・リッジウェイがメインキャラクターとなります。

BL色が少し強くなりますので、男性読者様やBLが苦手な方はご注意ください。

大丈夫な方は、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。

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