03 輪廻転生
【ティアニー家/セオドア】
セオドア
前世:遠藤 灯雅
固有魔法:『再構築』
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ソルティード
前世:穂波 玲音
固有魔法:『検証』
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ユスティート
前世:黒須 晶仁
固有魔法:『永眠』
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マドリーン・アッシュフィールド
前世:キリエ
固有魔法:『獣化』『案内・誘導』
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ウィリディシア・アッシュフィールド
前世:青枝 樹理
固有魔法:『薬物精製』
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シルヴェスター・アッシュフィールド
前世:乙村 直澄
固有魔法:『傾聴』
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スヴェン・マードック
前世:遠藤 遼雅
固有魔法:『消失』
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ディアドラ・マードック
前世:守屋 綾乃
固有魔法:『伝達』
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シェリル・マードック
前世:時成 秀治
固有魔法:『俯瞰』
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マチルダ・ピンコット
前世:吉住 優
固有魔法:『写実描写』
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フィニス・ティアニー
前世:松岸 壱弥
固有魔法:『看取』
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スヴェンはノートを取り落とした。
慌てて拾い上げたスヴェンの瞳は金色。
「兄さん……」
「まぁ、そうだが。今の俺はセオドア。お前はスヴェン・マードックだ。兄弟でもなきゃ、双子でもない」
そう突き放すように口にすると、スヴェンの瞳が元の群青色に戻った。
「失礼しました、陛下」
「いや、謝罪するのは俺の方だ。お前で人体実験をした。やはり……このノートを読むと、前世の記憶が戻るんだな」
ソルティードの検証ノート。
「確かに、このノートは下手な相手には渡せないな……実験して悪かった、スヴェン」
「…………」
またスヴェンの瞳が金色になっている。
「スヴェン……」
「ごめんなさい、兄さん……」
スヴェンが涙を溢す。
予想外のことに、今度は俺がノートを落としそうになった。
「…………リョウ」
「ごめんなさい、兄さん。貴方から居場所を奪って。貴方から、“遠藤 灯雅”の名前を奪って。あの場所は僕が僕自身の力で得た場所じゃないのに。兄さんだから得られた場所なのに……」
スヴェンの固有魔法が『消失』であったことから危惧はしていたが……。
「まだ自分を責めてたのかよ……ばーか」
涙を溢すスヴェンを小突いて、抱き締める。
「お前にアイドルという立場を押しつけたのも、お前から“遠藤 遼雅”の名前を奪ったのも俺だし、俺の実力じゃアイドルグループの顔役なんて務まんねぇよ。フットワークは軽いが飽き性で努力が嫌いな俺の性格、よく知ってんだろ?」
抱き締めながら言い聞かせ、身体を放す。
スヴェンの瞳は群青色に戻っていた。
「なるほど……前世を思い出すというのはこういう感覚なのですか……」
前世を思い出した者の大半は、前世に引き摺られる。
「ユスティートには……いや、子供たちには見せられない」
フィニスに渡せとアレクシスは言ったそうだ。
既に前世を思い出しているフィニスならノートを渡しても安全だという判断だろう。
「陛下。スピルス・リッジウェイはともかく、シェリルの目的は何でしょう? 無欲なシェリルが権力を欲するとは思えませんし、前世を思い出したとしても、時成 秀治氏が……まさか、そんな…………」
スヴェンの言う通りだ。
シェリル・マードックという女性は人形のような存在だった。
何も欲しがらず、望まない。
シェリルが時成であった前世を思い出したとしても、同じだ。
『森野や吉住と同じ状況下の子供が、大人は誰も助けてくれないと絶望しないように、今からでも大人が彼らに寄り添うべきだと思うんです。彼らの真実を、彼らの事件の真相を知り、語り、世間に伝え、そして寄り添うべきだと思うんです』
『この世界は君たちが思っているより、ずっとずっと優しいから』
そんな彼が、子を大切に思い育てているナイジェルやマドリーン、アデルに刃を向けるだろうか?
「時成……」




