人物紹介
ちゃんと出てくるかどうか分からない人も、生かす機会があるかどうか分からない設定も含めて、登場人物のご紹介です。
*〈フィオナの家〉の娼婦
サラ
主人公。銅色の髪に緑の瞳をした娼婦、23才。
今の店は3軒目で、もう4年くらいいる。
元は商業都市国家レーゼでも有数の豪商の娘。
病弱だった兄の代わりに後継ぎと目されていたため、外国語や会計、経営などを叩き込まれた才媛。
手先も器用で、裁縫やレース編みなども得意。
弟が生まれて後継ぎから解放されてからは、好きな絵で身を立てることを夢見る。
でも、男でしくじって全て失っている辺り、かなりチョロい。
生家の名は絶対明かさない。
イザベル
17才。
小柄で細身、まっすぐな銀髪と淡い青い瞳の、かなりの美少女。
家が貧乏だったので、弟妹のために身売りした。
最初からこの店におり、現在2年目。
成長期の栄養状態が悪かったためか、食べても太らない。
読み書きがまだできない。
色恋で失敗したことも無い。
ジュリエ
18才。
黒い巻き毛に黒い瞳、ぽっちゃり型。
元は裕福な家の娘だったが、家が破産したため、老人の妾に売られる。
当の老人が亡くなり、紆余曲折あって、半年前に娼婦になる。
歌やリュートが得意。異世界に現実の楽器名を出すのには躊躇しているが、ファンタジーだから良いことにしている。
客として来た大学生に恋をしているが、まだヒモ化させてはいない。
「変」な客には、決して選ばれない。それが良いのか悪いのかは分からない。
アドリエンヌ
25才。
淡い金髪に、青灰色の目をした元伯爵令嬢。
14才の時に従者と駆け落ちしたが、何やかんやの末に〈フィオナの家〉に売られた。
以来10年、恋人の帰りを信じて待ち続けている。
女将からは後継者と目されている。
元祖・生家の名は絶対明かさない。
ヴァイオレット
17才。
茶色い髪に菫色の瞳、庇護欲を掻き立てる可愛らしい系の新人。
女優を夢見て王都に来たが、馬車が着いたのは、娼婦斡旋の仲介屋だった。
なお、演技経験は無い。
読み書きできない。
まだ泣いてばかりいる。
ディアナ
18才。
金髪に青い瞳。ぽっちゃり型。
浪費癖のある元女工。
若い兵士をヒモにしている。
一瞬を楽しむのに長けているタイプ。
言い訳は嫌い。
読み書きはできない。
ナギ
多分20才くらい。
長身痩躯、黒い髪に黒い瞳、浅黒い肌の凛々しい系。
どこの娼館でも一人は確保しておきたいエキゾチック美女。
〈フィオナの家〉は2年目。
名前以外何も自分のことを明かさない。
喋れないわけではない。
*〈フィオナの家〉の経営陣
フィオナ
女主人、38才。
本業は暗殺者。
本業の隠れ蓑に娼館を経営している。
「密室で身の安全を確保するため」と称して、娼婦たちには簡単な護身術を仕込んでいる。
見込みがありそうだったら本業を仕込むが、アドリエンヌの他は全員「鈍くさい(プロ目線)」
当然ながら、「鈍くさい」娼婦には、抵抗するより大声を出して逃げるのが一番大事なことは、繰り返し言い聞かせている。
女将に本業があるため、娼婦達の待遇は破格に良い。
時々返り血を浴びている。
マイラ
女将の補佐役、42才。
娼婦や客に出す料理を作るのも彼女。
フランツ
女将の亭主、36才。
娼婦のスカウトや、遠方の娼館とのトレードなんかを担当している。
かなりの被虐趣味の持ち主。
女将の浴びている返り血は、三回に一回くらい彼のもの。
*客
アルトゥロ
レーゼ出身の錬金術師。父は学者。
以上、名前も含めて全部嘘。
もう一人の主人公。
癖のある黒髪に、深い藍色の瞳。いちいち「黒と見まごう深い青」とか書くのが面倒くさい。
調べたらプルシアンブルーが一番近かった。
プロシアの青……? 異世界で使っていいのだろうか。
次点はミッドナイトブルー。プルシアンブルーより少し紫寄り。
瞳なんか大した面積じゃないんだから妥協してもいいかもしれない。
全然字数減らないけど。
いつも黒い服に白い仮面をつけた美丈夫。
サラには王都の外を知らないと思われているが、実はそうでもない。
25才。
蝶々さん
宮廷内の貴族の動きを監視する秘密警察の長。
リカルド
歓楽街ガイド〈ベナルジッテ通信〉の記者。
イザベルを愛するあまり、奇行に走りがち。