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第九節 ダンジョン探検③...ようやく入り口、そして透視眼鏡

前に張った伏線の一つの回収のお話です。

「ダンジョンの中に入りました。門番さんは見ませんでした」

 俺は両手を高く上げて、自分の声をダンジョンの中に響かせた。


 あき君が心配していた「門番」という人はどこにもいなかった。正門の近くを一通り探してみたが、サポーター達用の建物はあったが、中に誰もいなかった。


「紅葉先生とも会えなかった。何がどうなってるのかな?」

「分からないが、ななちゃん、やはり外で管理者が来るまで待たない?何かがおかしい」

「もう連絡してみたでしょう?繋がらないなら、いつ来るのかなんて、分からないよ。私はそれより『ダンジョン探検』がしたい!」


 念話(でんわ)できない俺の代わりに、あき君はこのダンジョンの管理者に連絡取ってみたのだが、「繋がらない」だそうだ。魔法である念話(でんわ)が「繋がらない」とはどういう感覚なのかがさっぱり分からないが、多分俺の世界での「電波が悪い」のようなものだろう。


「ここは大分田舎だから、そういう事もある。そんな事の為に時間を無駄にしたくない!さっさと降りようよ、その内にシイちゃん達とも会えるだろう。大丈夫大丈夫」

 鼻歌をしながら足を伸ばし、俺は目の前にある階段を降りていく。


 ダンジョンの中の風景は俺のイメージした「岩の壁」や「石の扉」などによって出来たものではなかった。「遺跡」といっても、「パソコン」や「扇風機」などの電気製品を作り出した人達が住んでいた場所だから、壁はコンクリート、ドアは金属等々、俺にとって実に見慣れた風景だった。


「意外とキレイに片づけられてるね」


 俺としては、例え「洞窟風」じゃなく「世紀末風」でも全然楽しめるのだが、このダンジョンの中は本当にキレイに片づけられていて、まるで今も人が住んでいるようだ。

 金属のドアに錆びれ一欠けらもないんだなんて、つまんない!


「清掃が行き届いてるのは、この辺りがまだ安全区域(セーフゾーン)だからだと思います。時に弱い魔物が現れても、ヒスイ達人間に寄って来る事は殆どありません。実際一定のお金を払えば、ここの部屋を借りる事だってでますし、警戒区域(デンジャーゾーン)手前ならお店の一つや二つ、もしかして、あるかもしれません」


 成る程!今も誰かがここを掃除してくれているのか。住む事も出来るとか、ここは「地下マンション」みたいなものなのだな!

 丁寧に説明してくれたヒスイちゃん、可愛い!流石「サトリ」、俺の心を読んでくれる。


「本当に人が住んでいたのか。何だがダンジョンっぽくないね。」

「ずっと聞きたいと思っていたのだが、ななちゃんは一体『ダンジョン』にどんな思いを抱いているのだ?」


 念のために「物入れ結界」の中から武器を取り出したあき君が俺に興味を示している。

 ってか、剣がかっこいい!黒い鞘に翼に見える絵が描かれていて、剣本体の方の柄頭にも大きい宝石が装飾されてるよ!

 あき君が「貧乏人」だという考えを改めておこう。


「あき君は『アドベンチャー』という言葉を知ってる?」

「ん?・・・えぇ」

「探検・冒険・アドベンチャー。危険と隣り合わせの代わりに、今まで誰も見たことのない不思議な何かと出会えるチャンス!想像も出来ない特殊な生態系を持ち、例えるなら十メートルを超える巨体の危険な怪物、例えば可愛らしい外見を持つ肉食獣、まさかの大きな牙を持つ草食動物!」


 両腕を挙げて、喜びを表現する。


「そんな秘境に、基本同じ知性のある生物はいない。いるとしても、自給自足のはぐれ者か、私達と交わらない異なる文化を築いた先住民だけ。私達が易々と踏み入れてはいけない!そんな場所に入る事が、アドベンチャー!」

「い、活き活きしてる・・・」

「だけど!今、そんな場所に人が住んでいる・・・」


 最早秘境は「秘境」じゃない。自由に人が手を加えた場所は「都会」に数えられなくても、「田舎」に数えられる。


「凹むわー、田舎のばっちゃん家に遊びに行く位に凹むわー」

「ナナエお姉ちゃん・・・」

「だけど!それも承知の上!」


 気を取り直して・・・


「最初からいきなりハードな冒険はとても危険。つまらないだろうけど、一歩ずつ、足跡を残しながら前に進まなければ、突然のバットエンドを迎えてしまう事もあり得る。だから、ここーー安全区域(セーフゾーン)の広いこのダンジョンを選んだ。自らの意思で、イージーチュートリアルのダンジョンから始めると決めた」

「なるほど」


 あき君とヒスイちゃんは俺の言葉に頷く。しかし、俺はあまり嬉しくない。


「しかし、現実を実際に目にすると・・・凹むわー」


 危険なんて、ゼロパーセントの場所に何のワクワクがある!?綺麗に片付けられた廃墟は、もう「廃墟」じゃない!


「ななちゃん、警戒区域(デンジャーゾーン)に行きたいのか?」

「うん、凄く行きたい。自分で戦ってみたい」


 戦ってみたいが、痛いのは嫌だ。怪我したくない。敵を一撃で圧勝がしたい。


警戒区域(デンジャーゾーン)はとても危険だよ。大人だって、そこに一人で入ってはいけない。」

「うん。だから、まずは安全区域(セーフゾーン)内でウロウロして、シイちゃん達と合流してから、ちょろっと警戒区域(デンジャーゾーン)を覗いてみて、帰る。最初はこのくらいで十分、高望みしてはいけない」

「そうか。ななちゃんはちゃんと考えているのだな」


 何その言い方?まるで俺が何も考えていないように見えているのか?

 確かに、ゲームは面白い。しかし、そのゲームが「現実」となると、「面白い」の一言で済ませられなくなる。危険はあり、怪我すると痛い、人が死ぬと本当に二度とその人に会えなくなり、毎日が辛い。そういった事をちゃんと考えているよ、俺は!

 特に、今の俺は滅茶苦茶弱い。鶏にも勝てない!

 俺は全てのマイナスな部分を考慮した上で、慎重に計画を立てて、準備をしてきたのだ。


「ななちゃん。もし、ななちゃんがどうしても今すぐ警戒区域(デンジャーゾーン)に行きたいなら、それも構わないよ」

「え?」


 あき君が驚くような提案をしてきた。


「だ、ダメです!何でそんな危ない事を言うの、『あき君』さん?」

 意外にヒスイちゃんが反対した。

 ってか、「『あき君』さん」?


「え、えっと・・・」

「待って、あき君」

「む?」


 あき君は何かを返事しようとしたが、俺は示し指をあき君の目の前に突き出して、彼を止めた。

 どうしても今すぐに確認したい事がある。


「ヒスイちゃんはあき君の名前、知らなかったっけ?」

「ご存知です。白川(しらがわ) 輝明(てるあき)さんですよね。」

「そっか、知ってるのか」


 なら、問題ない。ヒスイちゃんが好きなようにあき君を呼べばいい。


「な、ななちゃん?」

「どうした、あき君?」

「何が聞いたい事、あるんじゃなかった?」

「もう終わった。後は君達の問題だ」

 俺は「ナナエ百八の秘密道具」その十三・「奈苗宝物庫」、どこでもバックを床に置いた。


 俺のぶっきらぼうな返事で呆気に取られたあき君だが、すぐに気を取り直してヒスイちゃんに返事する。


「えっと、ヒスイちゃん・・・」

「でんじゃあぞぉんに行きたいなら、どうぞお一人で行ってください!どうしてナナエお姉ちゃんを巻き込むのです?」

「それは・・・」

「ちょっと待って、あき君」

「む?」


 またあき君が返事する前に、示し指で邪魔した。


「ヒスイちゃん、もう一度『警戒区域(デンジャーゾーン)』と言いなさい」

「え?でんじゃあぞぉん?」


 やはり!ヒスイちゃんは長いカタカナ単語を喋り慣れていない。


「もう一回!」

「でんじゃー、ぞぉん・・・」

 嫌がっているっぽいが、それでもちゃんと返事するヒスイちゃん、可愛い!


「もう一回」

「むー、でんじゃあぞおん!」

 ヒスイちゃんは顔を膨らませて、大声で返事した。

 怒ったヒスイちゃんも可愛いなぁ!


「よしっ!満足した」

 俺は再び自分の作業に戻る。


「ななちゃん、お前が先に返事して」

 だけど、二回も邪魔されたあき君は俺を放って置いてくれなかった。


「返事ってなに?何を答えればいい?」

「俺がさっき言ってた事。ななちゃんがもし、今すぐに警戒区域(デンジャーゾーン)に行きたいなら、俺が付いているので、行っても大丈夫だ」

「ナナエお姉ちゃん!自分の体を考えて、冷静に断ってください。ナナエお姉ちゃんは熱くなっている時でも、冷静に考えられる人だと、ヒスイ、知ってます!」


 サトリ・ヒスイちゃんには隠せないね。あき君も、「俺が付いている」って、随分と大きく出たな。


「まぁまぁ。私だって、ただ『冒険がしたい!』というだけで自分の命を危険に晒すようなバカじゃ~ない。ちゃんと色々用意しているよ」


 バックの隠しポケットのチャックを引き、バック自体に組み込まれている魔法を発動させた。すると、俺の目の前に番号だけ入力できる画面のホログラムが現れた。

 まるで幻想科学映画に出てくるようなハイレベル科学、しかしそれが「魔法」なんだって、皮肉だな。


「極めた科学が魔法と同じ。ならば、魔法によって再現された科学とは、一体何なのだろう?」

「ななちゃん?」

「あき君、『物入れ結界』を開けといて」

「はい?」


 ゼロゼロイチと、俺はホログラムの画面に指で突く。そして、バックの中に手を入れて、最初に触った物を取り出した。


「はい」と俺は掴んだ物をあき君に投げた。慌ててそれを掴んだあき君が少しの間にそれを見つめて、「ポーション?」と呟いた。


守澄家(うち)は大変にお金持ちなのは、知ってるね」

「えぇ。まぁ・・・」

「なので、『安い物』なら使えきれない程持ってる」


「転移魔法陣設置」の許可すら買える大金持ちさんの娘だからな、「ポーション」のような安価な物なら困る位貯まってる。


「『安物』か・・・なら、どうして俺にくれるんだ?」

「見て分かるでしょう?持っていても、『取り出す』のが大変だ」


 もう一個ポーションを取り出して、やはりあき君に投げた。


「なるほど。それで俺にくれたのか。」

 あき君は二つ目のポーションをもう一本の手で掴んで、そして両手を同時に一回振ると、その手にあるポーションが不意に消えた。

 まるでマジシャンの早業マジック。けど、こっちの方はトリック仕掛け何もなしの本物魔法、マジシャン達の長年努力なんて、彼はしていない。そう考えると、確かに「魔法」は素晴らしい物だと思うが、魔法のない世界で「マジック」を魅せるマジシャン達の方がかっこいいと思う。


「ひゅ~」

 でも、動きがかっこいいから、俺はあき君に口笛を吹いた。


「ナナエお姉ちゃん、まさか本当に警戒区域(デンジャーゾーン)に入るつもりですか?」

 ヒスイちゃんが心配そうに俺に確認する。その態度に俺は少し驚いた。


「ヒスイちゃん、分からないの?私の考えが、本当に分からないの?」

「分かりません。こんなの、初めてです」

「初めて・・・」


 一応、あき君にヒスイちゃんの「種族」をさりげなく隠しているので、さりげなくヒスイちゃんに確認しよう。

 俺はヒスイちゃんに手招きして、彼女を側に呼び寄せた。


「サトリの『読心術』って、どんな感覚?よく分からないけど、『心が読めない』って、あり得るの?」

「ヒスイ、読めないのです。ナナエお姉ちゃんの心が複雑すぎて、何考えているのか、分からないのです」

「例えば・・・?」

「昨日も、ナナエお姉ちゃんの心を読めなかったことがありました。ナナエお姉ちゃんの思考が、ナナエお姉ちゃんの感情に合ってません。まるで、二人がいるみたいで・・・」

「二人?」


 俺って、多重人格者?


「ずっと三人で対話形式で思考しているって、そう言ってたよな。それとはまた違うの?」

「人は同時に複数の事を考えられるようにできていますが、同時に複数の『考え』を持つように作られていません。ナナエお姉ちゃんの心は確かにナナエお姉ちゃん自身のモノなのに、時々、えっと・・・混乱!するのです。パニック状態になっていると考えたんだが、常に『冷静』があるのです、パニックになってません。なのに、混乱、そして『混乱』に惑わされなく、『冷静』で考えるのです。」

「む~」


 ヒスイちゃんの言ってる事がよく分からない。俺にも「読心術」があれば、ヒスイちゃんの言う事も理解できるのだろうか。


「ごめんなさい、ナナエお姉ちゃん。ヒスイ、ちょっと休んできます」

「あ、うん」


 ヒスイちゃんがよちよち歩きで俺から離れて、そして俺とあき君から少し離れた場所で体育座りしてしゃがんだ。

 まだ子供だから、上手く頭の中の事を言葉にできないのだろう。無理させたようだ。


「ヒスイちゃん、大丈夫だろうか?」

「私のヒスイちゃんを『ヒスイちゃん』と呼ばないで!」

「え~」

「うふふ、冗談だよ。苗字がないから苗字で呼べないし、私の妹になるから苗字も『守澄』になるが、私と混同する。そしてかなり年下だから、『さん付け』はおかしいし、呼び捨ては私が許さない。いいよ、『ヒスイちゃん』で。ってないと、あき君はあの子に声掛けできなくなるね」

「細かいな。それほどヒスイちゃんが好きだという気持ち、よく伝わってきたよ」


 あき君が「好き」という言葉をさりげなく使った!これがイケメンか!

 俺に赤面させるとは、許せない奴だ!


「ほい!」

「あ!」


 俺は続々とポーションを取り出して、あき君を見ずに彼に向って投げた。

 実際何本を落として無駄になっても、今の俺にとって痛くも痒くもない。けど、何かが割れた音はしなかった。それはつまり、あき君は見事に全部受け取ったという事だろう。


「二十本くらいで十分かな?」


 俺はポーションを投げるのを止めて、続いてホログラムに別の数字を入力した。

 取り出すだけでも、結構疲れるのだな。


「では、あき君。最後にコレ」

 俺は今まで手に入れた最高の「ナナエ百八の秘密道具」十二番!を取り出して、あき君に渡した。


「なにこれ?眼鏡?」

「そう!『なんでもお見通しだよ』眼鏡!」


 心優しき根暗君からの「献上品」、透視眼鏡!


「残念ながら、私は長く掛けられない。魔力ゼロだから、掛けたらすぐに命の危機だ。でも、これは己の命を捨ててもいいと思える程の品物!その効果は・・・!」

「うあっ!」

「うえっ!」


 あき君が急に大声を出した所為で、俺も一緒に変な声を上げた。


「なに?びっくりしたよ!どうしたの、あき君?」

「ぁ、ぁ・・・」

「ん?」


 あき君の方に視線を遣ると、眼鏡を掛けてる「イケメン」がそこにいた。


「あぁ・・・」

 なるほど。俺が「効果」を教える前に、眼鏡を掛けてしまったのか。


「ぁ、ぁ・・・」

 あき君が「ぁ、ぁ」しか言えないロボットとなっている。しかし、その視線は俺から離れてくれない。

 今、あの眼鏡の透視率をどのくらいに設定していたっけ?


「まぁ、渡す前に教えていなかった私も悪いけど、少し視線に『遠慮』が欲しいね」

 一応女の子なので、胸と下を両手で隠した。


 あの透視眼鏡、透視率百パー以上に設定するも可能なのに、命ある物体は決して透けないように作られているのだ。

 実にいい仕事していると思うよ、同じクラスの上村(うえむら)くん。彼が作ったこの眼鏡なら、透視すぎて骨まで見える事はない。医学上何の役にも立たないこの眼鏡だが、エロ方面では最高に役に立つ!

 その特殊な仕組みによって、服も壁も全部「透視」して人の裸が見えるが、体の他の部分で大事な場所を隠せば、隠された「大事な場所」を見せない事が出来る。胸と下を両手で隠す行為は決して無意味ではない。

 ・・・少し遅かったけどな。


「ご、ごめん!ななちゃん!見るつもりはなかったんだ!許してくれ!」

 あき君はまさかの土下座を俺にした。


「でも、見たよね?」

「ぅ・・・」


 俺は最低だな。「自分も悪い」と言っておきながら、相手の方が謝ってきたら、ついつい意地悪したくなった。


「ねぇ、どこまで見た?『ち』で始まるあの二つのポイントは見えた?『お』で始まる女性特有の器官が目に入った?結構長く見てたよね。なぜ視線をすぐに外しなかった?」

「ご、ごめなさい!ごめなさい!ごめなさい!」

「うふふ」


 今度は「ごめんなさい」を繰り返すロボットになった。面白いな!


「ナナエお姉ちゃん?」

「あ、ヒスイちゃん?」


 立ち直ったのか、ヒスイちゃんが俺達の方に寄って来た。


「え?」

「あ、ちょ、あき君!」


 ヒスイちゃんが来たことで、あき君もとても自然にヒスイちゃんの方に振り向いた。親の教育が良いというか、しっかり人の目を見て話する習慣のある彼だが、今だけは俯せのままであって欲しかった。


「え?」

「あ!」


 振り向いたあき君はヒスイちゃんを見て膠着した蝋人形のようになった。彼の思考を読んだか、ヒスイちゃんの顔が段々と赤くなっていく。


「ぅ、ぅぅぅ、ぅわああああああ」

 遂に、ヒスイちゃんが泣き出した。


「ご、ごめん!」

 今度はヒスイちゃんに土下座するあき君。でも、どんなに謝っても、ヒスイちゃんは泣き止んでくれなかった。


「はぁ・・・」


 俺があき君を苛めたりしなかったら、ヒスイちゃんまでが犠牲にならずに済んだのに。

 ごめんね、ヒスイちゃん!しかし、泣いてるヒスイちゃんも可愛い!


「うわああああ!ナナエお姉ちゃん、嫌い!うわああああ!」

 ヒスイちゃんは泣きながら、元の位置に戻っていく。


 やっちまった。自分のドSの性格の所為で、思考を読めるヒスイ(サトリ)ちゃんを傷つけてしまった。

 ・・・うん!八つ当たりしよう!


「あき君が悪い」

「ごめんなさい!」

 あき君が土下座したまま、謝った。


 八つ当たりのし甲斐がない男だな。もういい、精神年齢一番上の俺が先に「大人」になろう。


「はぁ、ごめん、あき君。実はあの眼鏡のレンズに仕掛けがあって、そこを弄ると・・・」


 あれ?何かスゴイ力が俺を後ろに引っ張って・・・


「ぁ・・・」


 あき君達が遠さっていく。手を伸ばしてみたが、それより早く離れていく。

 足が地に着けない。後ろに下がっていく自分を止められない。

 なので、仕方ないから、俺は大声で彼を呼んだ。


「あき君ぅううう!」

大丈夫!続きはもう考えて付いております!

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